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お役立ち情報
2026年3月21日
庭リフォームで雨の日も快適に過ごせる空間づくり
雨天時の「水たまり」「泥跳ね」「滑り」を根本から解決するリフォームの基本設計
透水性舗装や屋根付き設備の導入により、雨の日も屋外を活用できる空間づくりのコツ
安全性と機能性を両立させるアプローチの構成と、雨水を有効活用するエコなアイデア
「せっかくの庭なのに、雨が降ると水たまりで足元がドロドロになる」「雨の日はリビングから眺めるだけで、外に出るのが億劫」といった悩みを抱えている方は多いものです。特に日本の梅雨や秋雨、近年の集中豪雨を考えると、庭の雨対策は単なる「見た目」の問題ではなく、住まいの快適性とメンテナンス性を左右する死活問題といえます。庭を雨の日でも有効に活用できる場所に変えるには、表面的な装飾だけでなく、排水と舗装の根本的なリフォームが欠かせません。
これから、熟練の造園家やエクステリアプランナーの視点に基づき、雨の日も濡れずに過ごせ、水はけに悩まされない庭を作るためのリフォーム術を徹底解説します。機能的な屋根の設置から、最新の透水性素材の選び方、さらには雨水を賢く利用するエコな設計まで、プロならではの具体的・実践的なアイデアを整理しました。雨を「困りもの」から「楽しむ要素」へと変えるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 雨の日でも使いやすい庭リフォームの基本
雨の日の庭を快適にするための第一歩は、現在の不満を「水」「足元」「動線」の3つの要素で整理することです。多くの場合、雨の日の不快感は、土の露出による泥跳ねや、不適切な勾配による水たまり、そして移動時に濡れてしまうことに集約されます。リフォームを成功させる基本は、「水を滞留させない仕組み」と「生活動線のカバー」を優先的に設計することにあります。
「水たまり」を撲滅する勾配と排水の設計
どれほど高価な床材を使っても、排水計画が不適切であれば、雨の日の快適性は得られません。プロが設計時に必ずチェックするポイントは以下の通りです。
- 水勾配(みずこうばい)の確保: 平らに見えるテラスや駐車場でも、最低1〜2%の傾斜をつけ、雨水を排水溝へ誘導します。
- 土壌の改良: 地面が粘土質の場合、表面だけを整えてもすぐに水が浮いてきます。砕石層を設けて「浸透」を促す下地作りが重要です。
- 暗渠(あんきょ)排水の設置: 表面で処理しきれない水は、地中に穴の開いたパイプを埋める暗渠排水によって、強制的に敷地外や雨水桝へ流します。
泥跳ねと汚れを防ぐサーフェス(表面)設計
雨の日、建物の基礎や窓ガラスが泥で汚れるのは、雨粒が土に当たって跳ね返るからです。この「跳ね返り」を防ぐことが、住宅を長持ちさせることにも繋がります。
「濡れない動線」を作る屋根の配置
庭を雨の日でも使いやすくするためには、家から特定の場所まで傘をささずに行ける動線が理想です。
- テラス屋根と玄関の連結: 玄関の軒先からテラス屋根を連続させることで、雨天時も荷物の搬入や出入りがスムーズになります。
- サイクルポートの重要性: 自転車が濡れると劣化が早まります。リフォーム時には、家族全員の自転車を収容できるゆとりある屋根を設置しましょう。
- 物干しスペースの確保: 雨が降りそうな日でも安心して干せるよう、サイドパネル付きのテラス屋根を設けることで、家事のストレスが激減します。
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2. 水はけを良くするための舗装技術とは?
水はけの悪い庭をリフォームする際、最も効果的なのが「舗装」の刷新です。しかし、庭全体をコンクリートで固めてしまうと、夏場の照り返しが強くなり、ガーデニングの楽しみも半減してしまいます。そこで注目すべきなのが、「水を地中に通す」最新の透水性技術です。これにより、水たまりを解消しつつ、自然に近い水循環を維持できます。
最新の「透水性素材」とそのメカニズム
最近のエクステリア資材には、一見普通のコンクリートやレンガに見えても、高い水通し能力を持つものが増えています。
- 透水性コンクリート(ドライテック等): 内部に無数の隙間があり、バケツ一杯の水を流しても一瞬で地中へ消えるほどの排水性を持ちます。
- 透水性インターロッキング: 舗装材そのものが水を通すタイプと、目地(隙間)から水を逃がすタイプがあります。デザインバリエーションが豊富です。
- ウッドチップ舗装: 天然の木材チップを樹脂で固めたもの。クッション性があり、水はけも良いため、子供の遊び場に最適です。
舗装材の比較と選び方の基準
用途や予算に合わせて最適な舗装材を選べるよう、それぞれの特徴を比較してみましょう。
下地工事が水はけの成否を分ける
どれほど優れた透水性舗装材を使っても、その下の土が固く締まったままでは、水は行き場を失ってしまいます。「見えない下地」の構成こそが、プロのリフォームの肝です。
- 掘削と砕石入れ: 元の土を20〜30cm掘り下げ、そこに粒の大きい「砕石(さいせき)」を敷き詰めます。これが一時的な貯水槽の役割を果たします。
- 転圧の加減: 地盤を固める「転圧」は必要ですが、あまりに強く固めすぎると隙間が潰れます。水を通す余地を残した適切な施工が求められます。
- 不織布の活用: 砕石層と土の間に不織布(フィルター層)を挟むことで、泥が砕石の隙間に詰まるのを防ぎ、排水能力を数十年維持させます。
3. 屋根付きデッキやパーゴラの設置で快適な空間を作る
雨の日に「外の空気を感じながらリラックスする」という贅沢を叶えるには、屋根付きの設備が不可欠です。単に雨を凌ぐだけでなく、光の入り方や風の通り、外壁との調和を考えた屋根の設計を行うことで、庭は「第2のリビング」として機能し始めます。
ライフスタイルに合わせた屋根設備の選択
一口に屋根といっても、その機能やデザインは様々です。家族でどのように過ごしたいかによって、選ぶべき設備が変わります。
- テラス屋根(アルミ製): 耐久性が高く、ポリカーボネート製の屋根材で明るさを確保しつつ紫外線をカットします。実用性重視の方に最適です。
- パーゴラ+シェード: 本来は植物を這わせる棚ですが、格納式の布シェードや透明パネルを組み合わせることで、カフェのようなお洒落な空間になります。
- 独立式テラス: 壁に穴を開けたくない住宅や、庭の中央に離れのような空間を作りたい場合に有効です。
雨の日をより快適にするオプションの工夫
屋根をつけるだけでは、横からの雨の吹き込みを防げないことがあります。そこでプロが勧めるのが、「プラスアルファの機能」の追加です。
雨の日を優雅にする屋根のコツ
- ●
サイドパネルの設置: 雨の吹き込みを抑えるだけでなく、近隣からの目隠し効果も得られます。 - ●
内部日除けの活用: 雨の日特有のジメジメした暗さを和らげるため、明るい色の布シェードを併用すると、室内のような落ち着きが生まれます。 - ●
ダウンライトの埋め込み: 雨の日の薄暗い午後も、柔らかな明かりがあれば、テラスでの読書やコーヒータイムが特別な時間に変わります。
施工前に確認すべき「雪と風」の影響
雨対策の屋根を設置する際、意外と忘れがちなのが「雪」と「風」の対策です。
- 積雪強度の確認: お住まいの地域の積雪量(通常20cm、多雪地域なら50cm〜)に見合った強度を持つ製品を選ばないと、冬場に破損する恐れがあります。
- 耐風圧性能: 台風が通りやすい地域や、吹き抜けの多い場所では、屋根が飛ばされないよう補強支柱などの対策が必要です。
- 樋(とい)のメンテナンス性: 屋根から集まった雨水を流す樋に、落ち葉が詰まると雨漏りの原因になります。掃除がしやすい構造か、ゴミよけネットがついているかを確認しましょう。
4. 雨の日でも歩きやすいアプローチのリフォーム方法
門扉から玄関まで、あるいは駐車場から家までの「アプローチ」は、毎日必ず通る場所です。雨の日でも滑らず、水たまりを避けずに歩けるアプローチを作ることは、家族の安全を守るための「バリアフリーリフォーム」としての側面も持っています。
滑りにくさを科学する素材選び
雨で濡れた床材は、想像以上に滑りやすくなります。特に高齢者や子供がいる家庭では、意匠性よりも「防滑性(ぼうかつせい)」を最優先すべきです。
- 磁器質タイルの「グリップ加工」: タイルを選ぶ際は、必ず「屋外床用」かつ「アンチスリップ(ノンスリップ)」仕様のものを選びます。表面がザラザラしているものが理想です。
- 自然石の「バーナー仕上げ」: 表面を火で炙り、デコボコさせた仕上げです。雨に濡れると石の色が濃くなり、美しさと安全性を両立できます。
- 洗い出し舗装: コンクリートの表面を洗い流し、中の砂利を露出させる伝統的な技法です。凹凸が多いため、極めて滑りにくいのが特徴です。
歩行をサポートするライティングとレイアウト
雨の夜は視界が悪く、足元の段差が危険になります。ライティングの工夫で、安全な歩行を誘導しましょう。
排水をスムーズにする「目地(めじ)」の役割
アプローチの床面に水が溜まらないようにするには、素材の隙間(目地)を賢く使うことが重要です。
- タマリュウ目地: コンクリートの切れ目にタマリュウなどの植物を植えることで、そこから雨水が地中へ浸透するようにします。
- 砂利目地: タイルの間に砂利を敷き詰める手法。デザインのアクセントになりつつ、大量の雨水を素早く受け流すことができます。
- インターロッキングの目地砂: 目地専用の珪砂(けいしゃ)を用いることで、舗装面全体の強度を保ちつつ、浸透能力を最大化させます。
関連記事はこちら:庭リフォームで実現するバリアフリーの庭づくり
5. 雨水を有効活用するエコな庭リフォームアイデア
雨を「排水すべき邪魔なもの」としてだけ捉えるのは、現代の家づくりにおいては少しもったいない考え方です。降った雨を一時的に貯めたり、植栽の恵みに変えたりする「雨の循環」を庭に組み込むことで、環境に優しく、家計にも助かるエコな庭が実現します。
雨水タンクの設置で節水ガーデニング
屋根から集まった雨水を、大きなタンクに貯めておくリフォームは、非常にコストパフォーマンスが高い投資です。
- 用途の広さ: 貯めた水は、晴れた日の植木の水やり、洗車、あるいは震災時の非常用生活用水として活用できます。
- デザイン性の向上: 最近では、テラコッタ調や石積み風など、庭の装飾として馴染むお洒落なデザインのタンクが多数登場しています。
- 自治体の助成金: 雨水タンクの設置に対して、購入費の半分程度を補助してくれる自治体も多く、低コストで導入できるチャンスがあります。
「雨の庭(レインガーデン)」の構築
レインガーデンとは、雨水を一時的に貯めてゆっくり地中に浸透させる、機能的な植栽エリアのことです。
レインガーデンを成功させる3要素
- ●
窪地(くぼち)の作成: 庭の一部を少し低くし、そこに雨水を誘導します。これだけで下水道への負荷を軽減し、洪水の予防にも貢献します。 - ●
湿気に強い植物の選定: アジサイ、シダ類、アイリスなど、一時的に水に浸かっても元気な植物を植えることで、雨の日特有の美しい景色を楽しめます。 - ●
浸透の下地づくり: 窪地の底には砂利や改良土を入れ、水が24時間以内に消えるように設計します。これにより、ボウフラの発生も防げます。
鎖樋(くさりとい)による水の演出
雨樋をプラスチックの筒にするのではなく、金属製の鎖樋に変えるだけで、雨の日の庭は「鑑賞の場」に変わります。
- 視覚と聴覚の癒やし: 鎖を伝って雨粒が滴り落ちる様子や、微かな水音は、雨の日ならではの情緒的な美しさを提供してくれます。
- 水鉢(みずばち)への誘導: 鎖樋の終着点に石造りの水鉢を置くことで、水面の揺らぎを楽しみつつ、溢れた水が周囲の砂利に染み込んでいく自然な演出が可能です。
- 経年変化の楽しみ: 銅製の鎖樋は、年月とともに色が深まり、和風・洋風どちらの住宅にも格調高い調和をもたらします。
以上が、雨の日の庭を快適にするための基礎と応用的なアイデアです。「排水」という機能的な課題をクリアした上で、「屋根」や「エコ」といった付加価値を加えることが、後悔しない庭リフォームの絶対条件となります。一旦ここで解説を止め、後半では泥跳ね防止や安全対策、成功事例についてさらに詳しく掘り下げていきましょう。
6. 泥はねを防ぐためのグランドカバーの活用法
雨の日の不快感の正体は、土がむき出しになっていることで発生する「泥」にあります。雨滴が地面に衝突する際のエネルギーを、植物の葉がクッションとなって吸収してくれる「グランドカバー(地被植物)」の導入は、雨の日も庭の清潔感を保つための最も自然で効果的な手法です。ここでは、ただ地面を覆うだけでなく、湿気に強く、泥はね防止能力の高い植物の選定と配置について解説します。
泥はねを物理的に抑制する仕組み
グランドカバーが泥はねを防ぐ理由は、葉が地表をマルチング(被覆)することで、雨粒が土の粒子に直接触れるのを遮断するからです。
- 密度の高い葉の層: 葉が重なり合って密集するタイプの植物は、激しい雨でも土を動かさず、建物の基礎や窓への汚れをシャットアウトします。
- 保水・排水の調整: 根が地中に張り巡らされることで、土壌の隙間が確保され、雨水の浸透速度が向上します。
- 表面の跳ね返り防止: コンクリートやタイルと異なり、植物の葉は柔らかいため、水滴の跳ね返りそのものを小さく抑えることが可能です。
雨に強いグランドカバー植物の比較
庭の日当たりや湿り具合に合わせて、最適な植物を選ぶことが成功への近道です。
管理を楽にする植栽のステップ
ただ苗を植えるだけでなく、その後の成長をコントロールするための準備が重要です。
- 不織布との併用: 広い面積をカバーする場合、あえて防草シートに穴を開けて苗を植えることで、植物が広がるまでの間の雑草を防ぎます。
- エッジ材での区画分け: グランドカバーが駐車場やアプローチまで侵入しないよう、レンガやアルミ製のエッジ材で境界を明確にします。
- 初期の土壌改良: 水はけを良くするため、パーライトや腐葉土を混ぜ込み、雨が降っても根腐れしにくい環境を整えます。
7. 滑りにくい床材の選び方と安全対策
雨の日の庭における最大の事故リスクは「転倒」です。特に玄関先やアプローチは、家族が毎日通る場所であり、高齢者や小さなお子様がいる家庭ではデザイン以上に「防滑性(ぼうかつせい)」にこだわった床材選定が必須となります。滑りやすさを数値や質感で判断するプロの視点をお伝えします。
滑りにくさを決める表面加工の種類
床材のカタログを見る際、必ずチェックすべきは表面のテクスチャ(質感)です。
- 磁器質タイルのグリップ加工: 表面に微細な凹凸を持たせたもので、雨に濡れても摩擦力が低下しにくいのが特徴です。
- 石材のバーナー仕上げ: 天然石の表面を加熱して剥離させたもので、ザラザラとした質感が強力な滑り止めとなります。
- 洗い出しコンクリート: 砂利の粒をあえて露出させることで、凹凸を作り出します。和風・洋風どちらにも馴染み、コストパフォーマンスも高いです。
雨天時の安全性を高める床材比較表
一般的な床材が、濡れた時にどのような挙動を示すかを整理しました。
物理的な安全設備の追加
素材選びに加えて、設計の工夫で転倒リスクをさらに軽減しましょう。
- 手すりの設置: 3段以上の階段がある場所には、雨の日も掴まりやすい樹脂被覆の手すりを設けます。
- 足元照明(フットライト): 雨の夜は水面の反射で段差が分かりにくくなります。低い位置に照明を置き、境界をはっきりさせます。
- スロープの併設: 階段の一部を緩やかなスロープにすることで、踏み外しを物理的に防ぐことができます。
8. 水たまりを防ぐ排水計画と施工ポイント
「庭のどこかにいつも水が溜まっている」という状態は、見た目が悪いだけでなく、蚊の発生や住宅の基礎への悪影響をもたらします。リフォームにおいて、目に見えない「排水の経路」を緻密に設計することは、雨の日を快適にするための最重要ミッションです。プロが行う排水改善の施工ポイントを解説します。
表面排水と地下排水の組み合わせ
水を逃がす方法は、大きく分けて「地表で流す」方法と「地中に染み込ませる」方法の2種類があります。
- 適切な水勾配の徹底: 1メートルにつき1.5cm〜2cm程度の傾斜をつけ、雨水を敷地外や雨水桝(ます)へと誘導します。
- 暗渠(あんきょ)排水の施工: 地面を掘り、透水管(穴の開いたパイプ)と砕石を埋め込みます。地表に溢れる前の水を地下でキャッチして流します。
- 集水桝の新設: 最も水が溜まりやすい「一番低い場所」に、集水桝を設置して強制的に排水ルートを作ります。
施工時に確認すべき技術的チェックリスト
業者の施工中に、以下のポイントが守られているか確認することで、将来のトラブルを防げます。
失敗しない排水施工の重要項目
- ●
雨水桝の高さ調整: リフォームで床面を高くした場合、桝の蓋も同じ高さまで嵩上げ(かさあげ)されているか確認します。 - ●
砕石層の厚み: 駐車場やテラスの下地には、十分な厚みの砕石が敷かれているか。これが一時的な貯水機能を果たします。 - ●
雨樋の出口処理: 屋根から集まった雨水が、地面を削ったり溢れたりしないよう、コンクリートの排水溝や桝へ直接繋がっているかを確認します。
排水機能を長持ちさせるメンテナンス
どれほど優れた設備も、詰まってしまえば機能しません。
- 桝の定期清掃: 雨水桝の底には砂が溜まります。年に一度は蓋を開け、溜まった泥をシャベルで取り除きましょう。
- 目地の点検: 透水性舗装の場合、目地に苔やゴミが詰まると排水性が落ちます。目地を洗浄することで能力が回復します。
- 落ち葉の除去: 排水口の上に落ち葉が溜まるとダムのような状態になります。雨の降り始めにチェックするのが効果的です。
9. 雨の日でも楽しめる庭空間のレイアウト
雨を単に防ぐ対象として捉えるのではなく、「雨天時ならではの情緒」を楽しめる空間に変えることこそが、究極の庭リフォームです。リビングからの眺めや、雨音の響き、濡れた植物の美しさを最大化するためのレイアウトについて考察します。
視覚で楽しむ「水鏡」の演出
雨に濡れた床面が鏡のように景色を映し出す様子は、晴れの日にはない幻想的な風景です。
- 濃色の床材選定: 黒やダークグレーのタイルは、濡れると色がより深まり、映り込みが美しくなります。
- 水盤の配置: 庭の一角に浅い水盤を置くと、雨粒が落ちる波紋を楽しむことができ、雨の日が「動的なアート」になります。
- シンボルツリーの透過性: 葉の細かい落葉樹(アオダモ等)は、雨粒が枝を伝う様子が見やすく、繊細な情緒を演出できます。
音をデザインする「サウンドスケープ」
雨音は、心地よいホワイトノイズとなり、周囲の騒音をかき消してくれます。
「おこもり感」を作るプライベートエリア
屋根の下で、しっとりとした庭を眺めるための特等席を作ります。
- アウトドアソファの配置: 屋根がある場所には、雨に強い撥水ファブリックのソファを。雨の音を聞きながらの読書は、室内では味わえない没入感を生みます。
- 間接照明の活用: 雨の日は昼間でも薄暗いため、植栽の影を壁に映すライトアップを行うと、奥行きのある幻想的な「こもり部屋」のような空間が完成します。
- 全天候型カーテン: 屋根付きデッキの側面に屋外用のカーテンを取り付ければ、横殴りの雨を防ぎつつ、秘密基地のような安心感を演出できます。
10. 実例から学ぶ雨対策を考慮した庭リフォームの成功事例
最後に、実際に「雨の日の悩み」を解消したことで、暮らしの質が劇的に向上した成功事例を紹介します。それぞれの現場でどのような課題があり、プロがどのような解決策を提示したのかを紐解くことで、あなたのリフォームのヒントが見つかるはずです。
「水たまり地獄」から脱出した、透水性舗装の全面改修
粘土質の土壌で、一度雨が降ると数日間地面が乾かなかったお宅の事例です。
- 解決策: 庭の大部分を透水性コンクリートで舗装し、その周囲に砕石を深く入れた暗渠排水を配置。
- 結果: 集中豪雨の後でも、1時間もしないうちに足元がサラサラの状態に。子供たちが雨上がりにすぐ庭で遊べるようになりました。
- 成功のポイント: デザイン性のみならず、地中の「排水容量」を最大化したことで、根本解決に至りました。
「洗濯物とプライバシー」を同時に叶えたテラスリフォーム
共働きで「突然の雨」が心配で外に干せなかった、都心の住宅の事例です。
機能的テラスの成功ポイント
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前面・側面パネルの活用: 視線を遮るすりガラス調のパネルを設置。雨の吹き込みを防ぎつつ、目隠しも完璧。 - ●
タイルデッキとの組み合わせ: 木目調のタイルデッキにすることで、雨で濡れても腐食の心配がなく、掃除もホースで流すだけ。 - ●
通風機能の追加: パネルの一部を可動式にし、雨の日は閉じ、晴れた日は風を通せるように工夫しました。
「雨の情緒」をテーマにした、和モダンな中庭
マンションの1階で、日光があまり入らない「暗い庭」を逆手に取ったリフォームです。
- 手法: 床をすべて黒い那智石で埋め尽くし、中央にステンレス製のスタイリッシュな水盤を設置。
- 効果: 雨が降ると、石が濡れて黒く輝き、水盤の波紋がライトアップで壁面に映し出されるように設計。
- 満足度: 「雨の日こそ、照明をつけてお酒を楽しみたい」と思える、大人のためのリラックス空間へと生まれ変わりました。
雨の日が待ち遠しくなる「機能美」の庭を実現するために
庭のリフォームにおいて、雨対策は後回しにされがちですが、実は「雨天時にどう機能するか」を考えることが、結果として365日快適な庭を作るための最短ルートになります。この記事で解説した排水の仕組み、滑りにくい素材の選定、そして雨を楽しむレイアウトは、すべて住まいの資産価値と居住性を高めるためのものです。
水たまりのない清潔な足元、雨音を聞きながらくつろげる屋根付きテラス、そして泥跳ねを気にせず眺められる美しい植栽。これらはすべて、論理的な設計と適切な素材選びで実現可能です。雨をネガティブなものとして封じ込めるのではなく、その恵みを受け入れ、活用する視点を持つことで、あなたの庭はもっと自由で豊かな場所になるはずです。
理想の「全天候型ガーデン」に向けて、まずは今日から以下の具体的なアクションを実践してみてください。
- 激しい雨の日に、庭の「水たまり」の位置を写真に撮る: どこに水が溜まり、どこが泥跳ねしているかを視覚的に記録することが、業者への正確なオーダーに繋がります。
- 玄関アプローチに「滑りやすい場所」がないか確認する: 雨の日に実際に歩いてみて、危険を感じる箇所があれば、そこがリフォームの最優先事項です。
あなたの庭が、雨の日も、晴れの日も、家族にとって最高の安らぎの場となることを心より願っています。
庭の雨対策リフォームに関するよくある質問
A. いいえ、透水性舗装や暗渠排水(あんきょはいすい)を使えば、土や緑を維持したまま改善できます。
全面コンクリートは確実ですが、夏場の熱気や見た目の冷たさがデメリットになります。地中に排水用のパイプを通したり、最新の「水を通すコンクリート」を部分的に使ったりすることで、自然な雰囲気を壊さずに水たまりを解消することが可能です。
A. 屋根材の「透過率」を調整することで、明るさを維持できます。
ポリカーボネート製の屋根材には、光を拡散させる「かすみ調」や、クリアタイプなどがあります。特にクリアマットという色は、直射日光を和らげつつ室内に明るさを届けてくれるため、リビング前への設置に非常に適しています。
A. 密閉性の高い構造と「フィルター」があれば、ほとんど問題ありません。
最新の雨水タンクは、ボウフラが侵入できない細かなネットが標準装備されています。また、完全に日光を遮断する素材であれば藻の発生も抑えられます。基本的には半年〜1年で使い切るサイクルであれば、気になるような臭いも発生しません。
A. 既存のタイルに「防滑コーティング」を施すのが最も手軽な方法です。
タイルを剥がさなくても、表面に透明な滑り止め塗料を塗ることで、驚くほどグリップ力が向上します。ただし、コーティングは数年で剥がれることもあるため、根本的な解決を望むなら、リフォーム時に防滑性能の高いタイルへ張り替えるのがベストです。
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施工事例の流れ



