メリット・デメリット

2026年5月12日

松本市の新築でこだわりたいガーデンデザインの優先順位

 


この記事でわかること

新築時に予算をかけるべき場所と、将来に回しても良い場所の賢い優先順位の付け方がわかります。

松本の寒冷地特有の条件を考慮した、失敗しない素材選びと生活動線の設計術がわかります。

建物と庭が一体となり、資産価値を高めるトータルコーディネートの具体的なステップがわかります。

松本市で理想の新築住宅を建てた際、最後に頭を悩ませるのがガーデンデザイン(外構)の計画です。建物にはこだわったものの、庭の計画を後回しにした結果、「予算が足りなくなった」「生活してみると使い勝手が悪い」といった後悔の声は少なくありません。特に信州の気候や松本特有の街並みに調和させながら、家族のプライバシーと機能性を両立させるには、プロの視点による「優先順位の整理」が不可欠です。これから、新築時に絶対に外せないポイントと、限られた予算を最大限に活かすためのガーデンデザインの秘訣を解説します。時を経るほどに魅力が増す、あなただけの住まいを実現するための確かなヒントがここにあります。

1. 建物と調和するガーデンデザインの見極め方

ガーデンデザインの成否は、建物との一体感で決まります。家だけが立派でも、庭がちぐはぐでは全体の完成度は上がりません。まずは「建物の一部として庭を捉える」視点を持つことが重要です。

建物のスタイルを分解して庭に落とし込む

モダンな住宅、和モダンな住宅、あるいは北欧風など、建物のコンセプトを構成する要素を抽出し、それを庭の素材やラインに反映させます。

  • ラインの統一: 建物のサッシや屋根の直線的なラインに合わせ、アプローチやタイルテラスの縁も直線で揃えると、洗練されたアーバンモダンな印象が強まります。
  • 素材のリピート: 建物の外壁に使われている一部の素材(例えば石目調のタイルや木目)を門柱やウッドデッキに使用することで、視覚的なつながりが生まれます。
  • ボリュームのバランス: 建物の高さに対して、シンボルツリーの高さをどう設定するか。建物の重厚感に負けないよう、適切な太さと高さの樹木を選ぶことが大切です。

松本の景観を「借景」として取り入れる

松本市は周囲を山々に囲まれ、美しい自然環境に恵まれています。敷地内だけで完結せず、周囲の景色をどう取り込むかもデザインの醍醐味です。

  1. 視線の抜けを作る: 全てをフェンスで囲うのではなく、遠くの山が見える方向は低めの植栽に留め、「借景(しゃっけい)」として庭を広く見せる演出が有効です。
  2. 街並みとの調和: 松本の城下町の雰囲気を意識し、なまこ壁を連想させる白と黒のコントラストや、自然石の石積みをアクセントに加えると、地域に溶け込む美しい邸宅になります。
  3. 色彩計画の重要性: 植物の緑を主役にするために、構造物の色はグレー、ブラック、ブラウンといった無彩色やアースカラーにまとめると失敗が少なくなります。
住宅スタイル 推奨されるガーデン素材 デザインのポイント
シンプルモダン コンクリート、アルミ(ブラック)、大判タイル 無駄を省いた直線美と、一点豪華なシンボルツリー。
和モダン 諏訪鉄平石、信州産の砂利、木製格子 「静」を感じさせる石積みを背景に、雑木の枝ぶりを楽しむ。
ナチュラル・カフェ風 アンティークレンガ、ウッドチップ、枕木 ハーブや宿根草を多用し、あえて不揃いなラインで柔らぎを出す。

参考文献 :和風ガーデンデザインで作る落ち着きのある庭

2. 松本の土地形状を活かしたアプローチ設計

アプローチは、住人とゲストを迎え入れる「家の第一印象」を決定づける場所です。松本の住宅地は、高低差があったり、奥行きが深かったりと土地の個性が強いため、その形状を逆手に取った設計が求められます。

高低差を「価値」に変える階段とスロープ

敷地に段差がある場合、それを単なる障害物と捉えるか、演出の舞台と捉えるかで結果は大きく変わります。

  • フローティングステップの採用: 階段の踏み面を浮かせて見せる手法で、夜間に間接照明を仕込めば、松本の夜に幻想的な浮遊感を演出できます。
  • 蹴上げの素材遊び: 階段の正面(蹴上げ)にだけ異なる色のタイルや石を貼ることで、視覚的なアクセントと安全性を両立させます。
  • スロープとの併用: 将来を見据え、あるいはベビーカーの移動を考慮し、緩やかなスロープを植栽の中に溶け込ませる設計が人気です。

奥行きをドラマチックに演出する「見え隠れ」

道路から玄関まで距離がある場合は、あえて一直線にしないことが高級感を生む秘訣です。

  1. クランク(折れ曲がり)の配置: 視線を一度遮るように門柱や壁を配置することで、「この先には何があるのだろう」という期待感を高めます。
  2. パースペクティブ(遠近法)の活用: 奥に向かって道幅を少しずつ狭めたり、手前に大きな植物を置くことで、空間をより深く、広く見せることができます。
  3. 素材の切り替えによるリズム: コンクリート、洗い出し、自然石と素材を切り替えることで、歩く楽しさとリズムをアプローチに与えます。

失敗しないアプローチ設計3つの鉄則


  • 雨や雪の日でも滑りにくい素材(ノンスリップ加工タイルや刷毛引き仕上げ)を最優先する。

  • 夜間の安全確保のため、足元だけでなく段差の陰影を照らす照明を配置する。

  • 自転車の出し入れや荷物の運搬を想定し、十分な通路幅(1.2m以上推奨)を確保する。

3. 新築外構で後悔しないための予算配分

新築時の予算は、どうしても建物内部に偏りがちです。しかし、外構は「後から直す」と余計な解体費用がかかり、割高になります。「今やるべき工事」と「将来できる工事」を見極めることが、賢い資金運用のポイントです。

「骨組み」と「インフラ」に最優先で投資する

後から変更するのが困難な、地面の下の工事や大型の構造物には、最初からしっかりとした予算を割くべきです。

  • 土留めと地盤改良: 長野の冬の凍結(凍上)に耐えるための基礎工事や土留めは、建物の安定性にも関わる最重要項目です。ここでのコストカットは後々の沈下トラブルに直結します。
  • 配管・電気配線の先行設置: 将来的にライトアップや散水システムを導入する可能性があるなら、空配管だけでも埋めておきましょう。後からコンクリートを壊す手間が省けます。
  • カーポートの基礎: 積雪地用のカーポートは柱の本数も基礎の大きさも異なります。将来設置するなら、基礎だけは最初から雪国仕様で作っておくのが得策です。

「装飾」と「植栽」はステップアップで楽しむ

一方で、植物や一部の装飾品は、住み始めてから自分たちのペースで進めることができます。

  1. 植栽の段階的導入: シンボルツリーだけはプロに頼み、足元の低木や花壇は自分たちでゆっくりDIYで植えていくことで、初期費用を数十万円単位で抑えることが可能です。
  2. 表札やポストのグレード: 門柱自体は頑丈に作り、後から付け替えが可能な表札などは、後日余裕ができてからこだわりの品に変えるという選択肢もあります。
  3. フェンスの優先順位: 全周を囲うのではなく、まずはリビング前の「絶対に必要な目隠し」に絞り、残りは安価なメッシュフェンスにして生垣を育てるという方法もあります。
優先順位 項目 理由
S(絶対優先) 土留め、排水工事、駐車場、玄関アプローチ 生活の基本インフラ。後からの工事が困難。
A(重要) 目隠しフェンス、シンボルツリー、夜間照明 プライバシーと安全に関わる重要要素。
B(段階的) 物置、ウッドデッキ、芝生、装飾植栽 暮らしながら必要性を判断できる要素。

4. プライバシーを守るおしゃれなフェンスの配置

「庭を作ったけれど、外からの視線が気になって使っていない」というケースは非常に残念です。松本のような密集した住宅地では、「囲む」のではなく「視線を遮る」ピンポイントなフェンス配置が、開放感とプライバシーを両立させます。

「隠したい視線」を時間軸で分析する

ただ高いフェンスを立てるだけでは、家の中まで暗くなってしまいます。どこからの視線を、いつ遮りたいのかを明確にしましょう。

  • リビングからの眺望確保: ソファに座った時の目線の高さに合わせて、必要な部分だけに横格子の目隠しフェンスを設置します。隙間を広めに取れば、圧迫感を抑えつつ視線をカットできます。
  • 夜間のヘッドライト対策: 道路に面した寝室などは、夜間に車のライトが差し込まないような高さと遮光性の高いパネルを選びます。
  • 心理的な境界線: 完全に隠すのではなく、格子状のスクリーンに植物を這わせることで、柔らかくプライベート空間を確保する「セミクローズド」な手法も有効です。

デザイン性を高める異素材の組み合わせ

フェンスを単なる「壁」にせず、ガーデンの背景として機能させるのがプロの技です。

  1. 木目調アルミ×アイアン: メンテナンス不要のアルミ材をベースにし、アクセントとしてアイアン製の飾りや、ライトを取り付けることで、都会的なモダンさを演出できます。
  2. 塗り壁とのコンビネーション: 全てフェンスにするのではなく、一部を塗り壁(ジョリパットなど)にすることで、空間に重厚感が生まれ、植栽の緑がより鮮やかに映えるようになります。
  3. 段差を活かした配置: 高低差がある敷地では、低い場所には背の高いフェンス、高い場所には低めのフェンスを使い分けることで、外から見た時の威圧感を最小限に抑えられます。

後悔しない目隠しフェンスの選び方


  • 風を通す隙間(スリット)があるタイプを選び、強風時の倒壊リスクと湿気の滞留を防ぐ。

  • 外壁の色よりもトーンを抑えた色を選び、フェンスだけが浮いて見えないように配慮する。

  • 境界杭の内側に確実に収めることはもちろん、越境トラブルを防ぐためのメンテナンススペースを確保する。

関連記事:庭の印象を決めるカラーとマテリアルのガーデンデザイン

5. 長野での生活動線を考えた駐車場と庭の連結

松本での生活において、駐車場(カーポート)から玄関、そして庭への動線は「冬の快適さ」を大きく左右します。「一歩も雪に濡れずに移動できるか」。この視点が新築外構の満足度を決定づけます。

ストレスフリーな「屋根の連携」

カーポートの屋根と玄関の庇(ひさし)、あるいは庭へのアプローチをどう繋ぐかが腕の見せ所です。

  • ロング庇とカーポートのオーバーラップ: 玄関の庇を通常より長く設計するか、カーポートを玄関に被せるように配置することで、雨の日でも傘をささずに荷物の積み下ろしができるようになります。
  • 勝手口への動線確保: 駐車場から直接パントリーや勝手口に繋がる通路を、屋根付き(テラス屋根など)で作っておくと、ゴミ出しや買い出しの負担が劇的に軽減されます。
  • 多目的スペースとしての活用: 屋根の下を少し広めに取ることで、冬場は雪かき道具の置き場、夏場は子供のプール遊びの場所として、庭と駐車場が一体化した使い方が可能になります。

雪かきの「負担」を分散させる土間設計

雪をどこへやるか、という「排雪計画」も動線設計の一部です。

  1. 雪置き場の指定と排水: 駐車場の一部に雪を寄せるスペースを作り、その場所の地盤を一段下げて排水溝を直結させることで、雪が溶けても足元がぬかるまず、スムーズな排水が可能になります。
  2. ロードヒーティングのスポット導入: 玄関から車までの数メートルだけを融雪仕様にする「スポットヒーティング」は、コストを抑えつつ冬の安全動線を確保する賢い方法です。
  3. 車2台分の「+α」の幅: 車を入れるだけの幅ではなく、ドアを全開にして人が横を通れる「プラス1メートル」の余裕が、生活の質を大きく変えます。
動線のポイント よくある失敗 推奨される解決策
玄関へのアクセス 雨樋の排水がアプローチに流れる。 排水を地中の雨水桝へ直結させる。
買い物帰り 遠回りして玄関まで重い荷物を運ぶ。 駐車場からパントリーへの勝手口動線。
冬の安全性 階段に雪が溜まり、氷柱が落ちてくる。 屋根の配置で階段をカバーする。

6. ガーデンデザインの主役になるシンボルツリー選び

新築の庭に「命」を吹き込むのがシンボルツリーです。松本市の環境は、冬のマイナス10度を下回る寒さと、夏の日差しの強さが特徴です。「見た目の好み」だけで選ぶのではなく、信州の風土への適応性を最優先に考えることが、数年後の後悔を防ぐポイントとなります。

松本の気候に耐える「雑木」の美学

最近のモダンな住宅には、作り込まれた仕立て物よりも、自然な枝ぶりを楽しむ「雑木(ぞうき)」が選ばれています。これらは建物の直線的なデザインを柔らかく中和してくれる効果があります。

  • アオダモ(株立ち): 松本エリアで最も人気の高い樹種の一つです。細い幹が数本スッと伸びる姿は圧迫感がなく、夜のライティング映えも最高です。
  • イロハモミジ: 信州の秋を象徴する樹木です。冷え込みが厳しい松本では紅葉の発色が非常に鮮やかになり、季節の移ろいを肌で感じさせてくれます。
  • ソヨゴ(常緑): 冬の間も緑を絶やしたくない場合に適しています。成長が緩やかで、剪定の手間が少なくて済むのも忙しい世帯には嬉しい特徴です。

植える場所とメンテナンスの考慮

シンボルツリーをどこに植えるかは、外観の格付けを左右します。

  1. 窓からの「切り取り」: リビングや玄関の窓から、絵画のように木が見える位置に配置します。家の中から緑が見えるだけで、生活の充足感は大きく変わります。
  2. 落ち葉の清掃性: 落葉樹は冬に葉を落とします。道路や隣家の敷地に葉が落ちにくい配置、あるいは掃除がしやすい土間仕上げの上に枝が来ないような工夫が必要です。
  3. 根の広がり: 建物や基礎のすぐ近くに植えすぎると、将来的に根が構造物を圧迫する恐れがあります。最低でも建物から1メートルは離して植えましょう。
樹種 冬の姿 松本での推奨理由
アオダモ 落葉。白い幹肌が雪に映える。 耐寒性が極めて高く、病害虫も少ない。
ソヨゴ 常緑。冬も濃い緑を保つ。 乾燥に強く、冬の寂しさを解消できる。
アオハダ 落葉。繊細な枝ぶりが特徴。 成長が非常に遅く、狭小地でも管理しやすい。

次に読む:バルコニーや屋上を活用したガーデンデザインのアイデア

7. 将来のメンテナンスを楽にする素材の選定

新築直後は綺麗な庭も、数年経つと雑草や素材の劣化に悩まされるケースが多いです。「経年変化」を楽しむ素材と、「劣化」を防ぐ素材を賢く使い分けることが、ローメンテナンスな庭づくりの鉄則です。

雑草対策の「3種の神器」

草むしりに追われる庭にしないためには、最初から「土」を見せない工夫が必要です。

  • 高機能防草シート×厚手の砂利: 安価なシートではなく、プロ仕様の不織布シートを選びましょう。砂利の厚みを5cm以上確保することで、飛来した種子の着根を物理的に防げます。
  • 人工芝のメリット・デメリット: 冬でも青々とした景観が保てますが、松本の強い紫外線で10年程度で劣化します。高品質なUV加工済みのものを選びましょう。
  • タイル・石貼りの活用: メンテナンスフリーを究めるなら、やはりハードスケーピング(硬い舗装)が最強です。

長野の気候に強い素材の選び方

寒暖差が激しい松本では、素材の膨張・収縮によるひび割れが起こりやすいです。

  1. 磁器質タイルの採用: 水分を吸いにくい磁器質タイルは、内部の凍結による破壊を防げます。必ず「屋外用・ノンスリップ」であることを確認しましょう。
  2. アルミ形材の優位性: ウッドデッキやフェンスは、天然木にこだわらないのであればアルミ製(木目調ラッピング)がおすすめです。信州の厳しい冬でも腐食せず、塗装の塗り替えも不要です。
  3. インターロッキングの透水性: 雨水を地面に浸透させるタイプを選べば、路面が凍結しにくくなり、冬の安全性が向上します。

メンテナンス軽減のチェックリスト


  • 砂利の下には必ずプロ用防草シートを敷き詰め、隙間を一切作らない。

  • 天然木デッキはハードウッド(ウリン等)を選ぶか、アルミ樹脂製を検討する。

  • 散水は自動灌水(かんすい)システムを導入し、夏場の水やりを自動化する。

付随記事:予算別に考える理想のガーデンデザイン

8. 松本市の街並みに映える門扉のデザイン

門扉や門柱は、家の「顔」であり、地域社会との接点です。松本市の景観に配慮しつつ、新築らしい洗練されたデザインを取り入れることで、住まいの格調は一段と高まります。

「閉じる」から「繋げる」へのデザインシフト

かつての高い門扉で固めるクローズドスタイルから、最近は適度な開放感を持たせた「セミクローズド」が好まれています。

  • スリットフェンスの活用: 門扉の横に垂直なアルミの角材(枕木材)を並べることで、視線を適度に遮りながらも、街並みとの連続性を感じさせることができます。
  • 素材のコントラスト: 黒いアルミの門扉に、明るいベージュの塗り壁の門柱を合わせるなど、色の対比をつけると立体感が生まれます。
  • ライティングの組み込み: 門柱に表札灯だけでなく、足元を照らす間接照明を仕込むことで、夜間の帰宅を優雅に演出します。

信州の自然石をアクセントに

地元の素材を一部に取り入れるだけで、松本の風景に馴染む落ち着きが生まれます。

  1. 諏訪鉄平石の石積み: 門柱の一部に鉄平石を貼ることで、重厚感と和モダンの洗練された雰囲気を同時に手に入れられます。
  2. 割肌(わりはだ)タイルの質味: 自然石の凹凸を再現したタイルを門柱の仕上げに使うと、太陽の光で影ができ、表情豊かな門構えになります。
  3. 宅配ボックスのスマートな統合: 最近の新築では必須の宅配ボックス。これを門柱と一体化させることで、見た目を損なわず機能性を高めるのが今のスタンダードです。
門まわりの要素 モダンな演出方法 松本エリアでの注意点
門柱 フロートデザイン(浮いた壁)で軽やかさを出す。 凍上を防ぐ深い基礎工事が必須。
門扉 縦格子のシャープなライン。自動ロック。 ヒンジ(蝶番)の凍結・サビ対策。
床面アプローチ 乱貼り石とタイルを組み合わせたパッチワーク。 雪かきスコップが引っかからない平滑性。

9. 子供の成長に合わせたガーデンデザインの可変性

新築時の家族構成は、10年、20年経てば必ず変わります。「今」の利便性だけでなく、将来の「可変性」を考慮した設計こそが、真に豊かなガーデンデザインと言えます。

成長に合わせて役割を変えるスペース設計

庭の一部を「あえて作り込みすぎない」でおくことが、将来の自由度を広げます。

  • 砂場から家庭菜園へ: 子供が小さいうちは砂場として使い、成長後は枠をそのまま活かしてハーブガーデンや家庭菜園に転用できる設計が賢い方法です。
  • 芝生広場の多目的利用: サッカーの練習場所から、将来は趣味のガーデニングコーナーや、ペットのためのドッグランへと用途を変えられます。
  • 駐輪スペースの予備確保: 子供が増えれば自転車の数も増えます。最初から駐輪スペースにゆとりを持たせておくと、生活動線が崩れません。

「撤去」や「追加」が容易な素材選び

ガチガチにコンクリートで固めすぎないことで、リフォームのハードルを下げます。

  1. 据え置き型の遊具・家具: 固定式のブランコなどは撤去が大変です。良質なアウトドアファニチャーを活用することで、気分や家族の成長に合わせてレイアウトを自由に変えられます。
  2. 置き敷きレンガの活用: モルタルで固定しない置き敷きであれば、将来その場所を花壇にする際も自分たちで簡単に撤去・変更が可能です。
  3. ライフステージに合わせた照明: 子供が夜に遊ぶ時期は明るめに、夫婦で静かに過ごす時期は落ち着いた光に、とバルブ一つで明るさを変えられるLED照明が便利です。

将来を見据えた可変設計のコツ


  • 「将来の電気工事」のために空配管を地中に埋めておき、後付けのライトや外部コンセントに対応させる。

  • 駐車場を車1台分多く確保しておき、不要な時期は子供の遊び場やDIYスペースとして活用する。

  • 大木の成長速度を考慮し、将来の剪定作業がしやすい場所に植える。

10. 長野の厳しい寒さに耐える配管と基礎工事

最後に見落としがちなのが、目に見えない「地面の下」の工事です。松本の冬は地面が数十センチの深さまで凍ります。ここを疎かにすると、春先に配管が破裂したり、階段が浮き上がったりする深刻なトラブルを招きます。

「凍結深度」を守るプロのこだわり

松本市であれば、一般的に30cm〜50cm程度の凍結深度が設定されています。すべての配管や基礎の底は、これよりも深い位置に設置しなければなりません。

  • 不凍栓(ふとうせん)の設置: 外構の水栓には、必ず「水抜き」ができる不凍栓を採用しましょう。冬場に配管内の水を空にすることで、凍結による水道管破裂を防ぎます。
  • 基礎の砕石層の厚み: 駐車場のコンクリートの下には、たっぷりとした厚さの砕石(砕いた石)を入れます。これが地面の動きを逃がすクッションの役割を果たします。
  • 排水の徹底管理: 地中の水が凍って地面を押し上げる「凍上」を防ぐため、雨水を地表に溜めず、速やかに雨水桝へと導く暗渠排水(あんきょはいすい)が効果的です。

寒冷地ならではの施工技術の確認

外構業者を選ぶ際は、こうした「見えない部分」にどれだけ配慮しているかを確認してください。

  1. 初期凍害への対策: 12月〜2月の極寒期にコンクリートを打つ場合は、防凍剤を入れたり、ジェットヒーターで養生したりといった高度な管理が求められます。
  2. 伸縮目地の適切な配置: 寒暖差によるコンクリートの膨張・収縮は想像以上に大きいです。適切な間隔で目地を入れることで、大きなひび割れを防ぎます。
  3. 錆に強い部材の選定: 道路の凍結防止剤(塩化カルシウム)が風で運ばれてくるため、ネジ一本に至るまで高耐食性の部材を使っているかが、10年後の庭の美しさを左右します。
インフラ項目 長野での必須対策 怠った際のリスク
水道管 不凍栓の設置、断熱材の巻き付け。 冬場の配管破裂、水漏れ。
コンクリート基礎 凍結深度以下の掘削、砕石置換。 舗装の浮き上がり、タイルの剥離。
外部コンセント 高めの位置への設置、防雨カバー。 雪に埋もれることによる漏電。

松本の風土と響き合う、理想の庭づくりのために

松本市での新築外構における優先順位。それは、建物のデザインを際立たせる「調和」と、信州の過酷な冬を乗り越える「構造」の二本柱を、予算に合わせて最適に配分することにあります。華やかな植栽やおしゃれなタイルも大切ですが、その下にある排水計画や凍結対策という基礎があってこそ、その美しさは永続的なものとなります。

これから外構計画を始める方は、まず「家族が一年を通じて、庭をどう使うか」を具体的にイメージすることから始めてみてください。雪の日、雨の日、そして爽やかな松本の夏の午後。それぞれのシーンを思い浮かべることで、明日から検討すべき項目が自ずと見えてくるはずです。もし不安な点があれば、まずは地元の施工業者に「これまでの雪害事例」を尋ねてみるのも良いでしょう。プロの経験に基づいた確かな知識を味方につけることが、後悔のないガーデンデザインを実現するための確かな第一歩となります。

ガーデンデザインの優先順位に関するよくある質問

Q. 外構の予算が足りない場合、どこを削るのが一番ダメージが少ないですか?

A. 植栽のボリュームや、後付け可能な「物置」「ウッドデッキ」から調整しましょう。

地面のコンクリートや排水、不凍栓などのインフラ部分は後からの修正が非常に高価になるため、削ってはいけません。植物は少しずつ買い足すことができ、その過程を楽しむことも庭づくりの醍醐味です。

Q. 松本の冬に「天然芝」は管理が難しいでしょうか?

A. 管理自体は可能ですが、冬の間は茶色く枯れた状態になることを理解しておく必要があります。

寒冷地向けの「高麗芝」や「西洋芝」を選べば春には再び芽吹きますが、冬の景観を気にするなら人工芝、あるいは常緑の地被植物(フッキソウ等)を部分的に取り入れるのがモダンな庭の解決策です。

Q. 新築外構の打ち合わせは、いつ頃から始めるのがベストですか?

A. 建物の間取りが決まり、着工する前後のタイミングが理想的です。

配管の位置やエアコン室外機の場所、玄関ポーチの高さなど、建物側と調整が必要な項目が多いためです。建物完成間近だと、理想の動線が作れなくなるリスクがあります。

Q. 松本市の景観計画区域内での工事で、特に注意すべきことは?

A. 門柱の色やフェンスの高さ、植栽の割合に公的な基準がある場合があります。

特に中心部や歴史的エリアでは、派手な色使いや高すぎる壁が制限されることがあります。申請が必要な場合もあるため、必ず地元の景観条例に詳しい施工業者に事前確認を依頼してください。

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FOURSIDE Team

「庭から始まる、 家族の新しい物語」

長野県松本市を中心に地域に根ざした外構・エクス テリアのデザイン・施工を実施。 庭を単なる 「家の 「外側」ではなく、 家族の笑顔を育み、 四季の移ろい を感じる「もう一つのリビング」 と考えています。 お客様一人ひとりのライフスタイルに寄り添い、 住まいの価値をさらに高める空間をプロデュース します。

  • 会社名 :株式会社エムズファクトリー
  • 創 業 :2014年4月1日
  • 代表者 :百瀬 貴宏
  • 会社HP:https://msfactory-garden.com/
  • 所在地 :〒390-1131 長野県松本市大字今井6961-1
  • 事 業 :外構工事一式、 エクステリア設計・施工、 造園、 塗装、リフォーム、 設備工事、造成工事、 害虫ブロック

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