メリット・デメリット

2026年9月3日

芝生が枯れる原因を特定して復活させる手入れの極意

 

この記事でわかること

  • ✔︎
    変色の原因を水不足・病気・害虫から切り分ける方法
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    土壌の固結とサッチ蓄積を解消する具体的な手順
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    長野・松本の気候と土質に合わせた回復の進め方

青々としていた地面が、梅雨明けを境に一気に色を落としていく。この現象に心当たりのある方は少なくありません。ところが対処法を調べると「水をやりましょう」「薬をまきましょう」といった断片的な情報ばかりが並び、自分の庭がどの状態に当てはまるのか判断できないまま時間が過ぎてしまいます。枯れは結果であり、その手前には必ず原因があります。原因を取り違えたまま作業を重ねると、回復どころか状態を悪化させることさえあります。

本記事では、変色の見え方から原因を絞り込む手順を整理し、そのうえで土壌環境の改善、病害虫への対処、部分補修までを順を追って解説します。標高が高く昼夜の寒暖差が大きい長野県、とくに松本エリアの土質や気候を前提とした内容も含めています。原因の特定と環境の立て直しを同時に進めることが、回復までの最短ルートになります。

1. 黄色くなるのは水不足?それとも病気?

変色を見つけたとき、多くの方が最初に疑うのが水不足です。実際、真夏の乾燥期には水分供給が追いつかず葉色が落ちる例が目立ちます。しかし同じ「黄色い」「茶色い」という状態でも、原因は乾燥、病気、害虫、栄養障害、土壌の固結など複数に分かれます。判断を誤ると、水不足ではないのに散水量を増やして過湿を招き、かえって病気を助長する結果になりかねません。

切り分けの起点になるのは、変色の「輪郭」と「広がり方」です。乾燥由来の変色は日当たりや傾斜と対応して現れ、輪郭がぼんやりと曖昧になります。一方で病気は円形や不定形のはっきりした境界を持ち、健全な部分との差が明確です。害虫による食害は、葉が短く刈り取られたように欠け、地表付近に食べ跡が残ります。栄養不足は庭全体が均一に淡くなるため、部分的な斑模様にはなりません。

もうひとつ有効なのが、地面を掘って断面を確認する方法です。移植ゴテを差し込み、深さ10cmほどの土を持ち上げてみてください。表層だけ乾いていて内部が湿っていれば、散水量の不足よりも撒き方の浅さが問題です。逆に全体が乾いてパサパサなら明確な水分不足です。根が黒ずんで短く途切れている場合は、土壌環境か病害が背景にあると考えられます。地上部の色だけで結論を出さず、必ず根と土を確認するという手順を習慣にすると、判断の精度が大きく上がります。

水不足で色が抜けるときのサイン

水分が不足すると、葉は内側に巻き込むように細くなり、全体が灰色を帯びた青緑色に変わります。この段階なら十分な散水で回復します。歩いた足跡がしばらく残る、夕方でも葉が立ち上がらないといった反応も、水分ストレスを示す初期の兆候です。

散水は回数より一回量が重要です。浅く頻繁に与えると根が表層に集まり、乾燥に弱い状態が固定されます。地中15cm程度まで届く量を、朝のうちにまとめて与える方法が適しています。


  • 散水の時間帯:早朝が基本です。夜間の散水は葉が濡れた状態が長引き、病気の発生条件を整えてしまいます。

  • 量の目安:一度に20分前後、土を掘って湿りが15cmまで達しているかを実測して調整します。

病気による変色との決定的な違い

病気の場合、変色部と健全部の境界がはっきりと線を引いたように分かれます。円形、リング状、帯状といった幾何的な形が現れたら、水分ではなく糸状菌の関与を疑う段階です。葉を一枚抜き出し、斑点や褐色の病斑が付いているかを確認してください。

また、進行速度にも差があります。乾燥は数日かけて徐々に色が抜けますが、高温多湿期の病害は一晩から二日で急激に範囲を広げる点が特徴です。急な拡大は病気を示す強い手がかりになります。

付帯事項:松本市の猛暑に負けない夏場の芝生の手入れと散水術

2. 長野で発生しやすいブラウンパッチの対策

長野県内の住宅の庭で夏に相談が集まる病害の代表が、ブラウンパッチ(葉枯病)です。リゾクトニア属の糸状菌が原因で、気温20〜30度、湿度の高い条件が続くと発生します。松本や長野市の市街地では、日中に気温が上がり夜間に急激に下がるため葉の表面に露が長く残り、菌にとって都合のよい環境が生まれやすくなります。

初期症状は、直径10cm前後の淡褐色の斑点です。放置すると数十センチ規模まで拡大し、外周が濃い褐色のリング状に縁取られる典型的な形になります。朝方、露が残る時間帯に外周部を観察すると、灰白色の菌糸が確認できる場合があります。この菌糸が見えた時点では既に拡大の途中にあり、初動の速さがその後の被害面積を左右します。

対策は薬剤と環境の両輪で考える必要があります。殺菌剤の散布は進行を止めるうえで有効ですが、菌が繁殖しやすい環境をそのまま残せば再発を繰り返します。窒素成分の与えすぎは葉を軟らかくして感受性を高めるため、発生期には施肥を控える判断が求められます。刈り高をやや高めに保ち、株を弱らせないことも重要です。通風と排水の確保が薬剤効果を持続させる前提条件になります。

症状の特徴 想定される原因 初動対応
境界が曖昧で全体が灰緑色 水分不足 早朝に深く散水し土中の湿りを実測
円形・リング状の褐色パッチ ブラウンパッチ 殺菌剤の散布と窒素施肥の中断
葉が短く欠け刈りカス状の粒 シバツトガの食害 生息確認のうえ殺虫剤で防除
通路沿いだけ生育が悪い 踏圧による土壌固結 エアレーションと目土入れ

発生条件と輪状のパッチが出る時期

県内では梅雨の中盤から八月上旬、そして秋の長雨期に発生が集中します。雨が続いた後に気温が戻る日は特に警戒が必要です。日照が届きにくい建物の北側、フェンス際、風の抜けない区画から現れる傾向があります。

刈り込み直後は切り口から菌が侵入しやすくなります。降雨が予想される日の作業は避け、晴天が二日以上続く見込みの日に刈るだけでも発生の抑制につながります。

薬剤散布と環境改善の組み合わせ

殺菌剤は症状を確認した直後に散布し、指定間隔で二回目を実施します。同一系統を連続使用すると耐性菌が生じるため、作用機構の異なる剤を交互に使う運用が望ましいです。散布は葉が乾いた午前中に行います。

並行して、周囲の植栽を剪定して風を通し、水が溜まる箇所には目土で高低差を調整します。薬剤だけに頼る対処は、翌年同じ場所で同じ症状を招く結果になりがちです。

3. 害虫シバツトガによる食害の見分け方

病気と並んで被害が目立つのがシバツトガです。成虫は小型の蛾で、幼虫が地際に潜んで葉を食べます。被害は七月から九月にかけて拡大し、県内では年に二回から三回の発生が見られます。特徴は、病気のように輪郭が整った形にならず、不規則な形で葉が薄くなり、地面が透けて見えてくる点です。

初期は「刈り込みが甘い場所がある」程度の見え方で、見過ごされやすい段階です。近づいて観察すると、葉の先端が食いちぎられて短く不揃いになっており、株元に細かい緑色の粒が散らばっています。これは幼虫の糞で、刈りカスとよく間違えられます。刈った覚えのない時期に粒状のものが溜まっていれば、食害を疑う根拠になります。

幼虫は昼間、地際に糸と糞で作った筒状の巣に隠れています。地表を指で掻き分けると、細い管のような構造や、白っぽい糸が絡んだ塊が見つかります。被害が進むと株そのものが食い尽くされ、単なる変色ではなく地肌の露出に至ります。葉の欠け方と株元の粒、この二点を確認できれば害虫と判定できます。病気と誤認して殺菌剤を散布しても被害は止まりません。

芝の刈りカスに見える糞と巣の痕跡

幼虫の糞は直径1mm前後の粒で、乾くと黒褐色に変わります。刈りカスは葉の形を保った細片ですが、糞は丸みのある粒状で質感が異なります。手のひらに載せて形を比べると判別できます。

巣は地際から数センチの深さにあり、糸で綴られた筒状です。見つけた場合はその周辺に複数個体が潜んでいると考え、範囲を広めに取って防除します。

石鹸水を使った生息確認と防除

疑わしい区画に、水4リットルに対して台所用洗剤を小さじ2杯ほど溶かした液を撒くと、数分で幼虫が地表に浮き上がります。1平方メートルあたり数匹以上が出てくれば、薬剤による防除が必要な水準です。

殺虫剤は幼虫が小さい発生初期に効果を発揮します。散布前に軽く刈り込み、株元まで薬液が届く状態を作ってください。散布後は半日ほど散水を控え、薬剤が流れ落ちないようにします

4. 踏み固められた土壌を改善するエアレーション

病気も害虫も見当たらないのに元気が戻らない場合、原因は土の中にあります。人が繰り返し歩く場所、遊具の周り、駐車スペースの脇などは土が圧縮され、隙間が失われていきます。土壌粒子の間にあった空気と水の通り道が潰れると、根は呼吸できず伸長も止まります。地上部は健全に見えても、内側から衰えが進む状態です。

固結の確認は簡単です。ドライバーや細い鉄棒を地面に垂直に押し込み、抵抗の強さを比べてください。生育の良い場所ではすっと入るのに、悪い場所では数センチで止まる場合、圧縮が進んでいます。雨の後に水たまりが長く残る、散水しても水が横に流れて浸み込まないといった症状も同じ原因を示します。

この状態を解消する作業がエアレーションです。地面に穴を開けて空気を送り込み、根の伸びる余地を作ります。作業時期は生育が旺盛な五月から六月、または九月が適しています。真夏や休眠期に行うと回復に必要な体力が足りず、傷んだまま放置される結果になります。穴を開けた後は必ず目土を入れて表面を整え、そのまま乾燥させないよう散水を続けてください。穴を開ける作業と目土入れは一連の工程として扱うことが、失敗を避ける条件です。

エアレーション実施の要点


  • 実施時期は五月から六月、または九月。真夏と休眠期は避けます。

  • 穴あけ後は目土で表面を均し、乾燥させないよう散水を継続します。

固結した地面が根を弱らせる仕組み

土が締まると隙間が減り、酸素供給が滞ります。根は酸素を使って養水分を吸収するため、供給が細れば吸収力そのものが落ちます。結果として、水も肥料も与えているのに反応しない状態に陥ります。

さらに水の浸透が悪くなることで表層に滞水し、根が浅い位置に留まります。乾燥にも高温にも弱い構造が固定され、夏を越せない原因になります。

コアリングとスパイキングの使い分け

コアリングは土を円柱状に抜き取る方式で、固結が進んだ場所に適しています。抜いた分だけ体積に余裕が生まれ、改善効果が長く続きます。抜いた土は取り除き、砂質の目土で埋め戻します。

スパイキングは穴を突き刺す方式で、負担が軽く広い面積を短時間で処理できます。症状が軽い段階はスパイキング、重い場所はコアリングという基準で選ぶと判断に迷いません。

関連ニュース:芝生の成長を促進するエアレーションと目土入れの方法

5. 芝生の手入れ不足で溜まったサッチの除去

刈った葉、枯れた茎、古い根が地際に堆積したものをサッチと呼びます。分解が追いつく範囲であれば有機物として役立ちますが、蓄積が進むとフェルト状の層になり、水と空気と肥料の通過を妨げます。厚さが1cmを超えた段階から、生育への悪影響が明確に現れます。

サッチ層は水を弾く性質を持つため、散水しても表面で横に流れ、根まで届きません。同時に湿気を抱え込む性質もあり、病害菌や害虫の越冬場所になります。ブラウンパッチが同じ場所で毎年発生する庭では、このサッチ層が温床として機能している可能性が高いです。肥料を与えても効かない、薬剤の効果が短いといった症状も、この層が原因となっている場合があります。

確認方法は、地際に指を差し込んで感触を見ることです。土に触れる前に、繊維が詰まった弾力のある層があれば蓄積しています。刈った草を長期間放置してきた庭、刈り高が高い状態を続けてきた庭では特に厚くなりやすい傾向です。除去作業は成長期に行い、作業後は必ず目土と施肥で回復を支えます。一度に全量を掻き出さず、複数回に分けて薄く削る方法が安全です。

サッチが厚くなると起こる不具合

層が水を通さないため、根は本来の深さまで伸びず、サッチの内部に絡むように広がります。土壌に固定されない根は乾燥と高温の影響を直接受け、夏場に一斉に傷む結果を招きます。

また、目土や種を入れても土に触れないため定着しません。補修作業が失敗する背景に、この層の存在が隠れているケースは珍しくありません。

熊手と機械による除去の進め方

小面積であれば、金属製の熊手で地際を掻き起こす方法で対応できます。一方向に力を入れて繊維を引き出し、集めた分は必ず回収します。作業前に短く刈り込んでおくと、層に刃が届きやすくなります。

広い面積では、専用の機械を使うと均一に処理できます。刃の深さは浅く設定し、二回に分けて仕上げることで株への負担を抑えられます。

6. 肥料焼けを起こしてしまった時の応急処置

回復を急ぐ気持ちから肥料を多めに与えた結果、かえって色が抜けてしまう事例があります。これが肥料焼けです。土壌溶液の濃度が急激に高まると、根は水を吸うどころか内部の水分を奪われ、脱水状態に陥ります。散水直後でも葉先から茶色く枯れ込み、施肥した範囲だけが四角く変色するため、病害とは容易に区別できます。

特に起こりやすいのが、化成肥料を乾いた地面に撒いた場合、規定量を大幅に超えて与えた場合、そして撒きムラで一部に集中した場合です。散布機を使わず手で撒くと、どうしても濃淡が生じます。粒が葉の上に乗ったまま散水されないと、その一点で濃度が跳ね上がります。施肥直後に強い日差しが続いた年は、被害が拡大しやすい条件が重なります。

気付いた時点で最優先すべき作業は、過剰な成分を洗い流すことです。通常の散水量では足りず、地中深くまで水を通して濃度を薄める必要があります。24時間以内に大量の水を流し込めれば、根の一部が生き残り再生に向かう可能性が高まります。対処の成否は、発見から散水までの時間で決まります。逆に、追肥や活力剤を足す判断は状況を悪化させるだけです。

過剰な成分を洗い流す散水の手順

被害範囲とその周囲1mを含め、通常の三倍程度の水量を与えます。一度に流すと表面を走るだけなので、20分散水して30分休ませる作業を三回繰り返す方法が確実です。傾斜地では下流側に成分が移動するため、下側も併せて洗います。

翌日以降も三日から五日は多めの散水を続けます。この期間は肥料も薬剤も一切与えず、水だけで様子を見ます

再発を防ぐ施肥量と撒き方の基準

規定量は必ず面積で計算し、目分量に頼らないことが原則です。10平方メートルなら何グラムかを事前に量り、二回に分けて縦横方向から撒くと濃淡が消えます。散布後は葉の上の粒を落とすため、必ず散水で流します。

夏場は緩効性肥料や液体肥料を薄めて使う方法が安全です。気温が30度を超える日の施肥は避け、朝の涼しい時間帯に実施してください。

参考:芝生を健康に育てるための肥料の選び方と施肥計画

7. 松本エリアの酸性土壌を中和する石灰活用

長野県中部の住宅地では、土壌が酸性に傾いている区画が多く見られます。降水による塩基成分の流出、化成肥料の継続使用、松や杉の落葉の分解などが重なり、年々pHが下がっていきます。松本平の畑地転用地や造成地では、pH5.0前後まで低下している例もあります。日本芝が良好に育つ範囲は概ねpH5.5から6.5で、これを下回ると生育が明確に鈍ります。

酸性が強まると、リン酸が土壌中のアルミニウムと結合して吸収されにくくなり、カルシウムやマグネシウムも不足します。施肥しても反応が薄い、密度が上がらない、雑草だけが勢いよく育つといった症状は、pHの低下を示す間接的な手がかりです。スギナやスイバが目立つ庭は、酸性土壌である可能性が高いと判断できます。

改善には石灰資材を使います。ただし勘に頼った投入は禁物です。市販の測定キットは千円前後で入手でき、複数地点で測ればおおよその傾向がつかめます。測定せずに大量投入すると今度はアルカリ性に傾き、鉄やマンガンの欠乏を招きます。数値を測ってから量を決めるという順序を崩さないことが、土壌改良の基本です。

資材名 特徴 施用の目安
苦土石灰 効果が穏やかでマグネシウムも補える 1平方メートルあたり100g前後
有機石灰 貝殻由来で反応が緩やか。植栽中でも使いやすい 1平方メートルあたり150g前後
消石灰 反応が強く根を傷めやすい 生育中の使用は避ける

土壌酸度を測ってから資材を選ぶ判断

測定は日当たりの良い場所、悪い場所、通路脇など三か所以上で行います。数値に差があれば、区画ごとに施用量を変える判断が可能になります。深さは5cmから10cmの土を採取してください。

pH5.5を下回った区画から順に手を入れます。一度で目標値まで戻そうとせず、二年程度かけて段階的に上げる方法が根への負担を抑えます。

散布の時期と肥料との間隔

適期は三月から四月、または九月下旬から十月です。真夏の散布は根への刺激が強く、避けるべきタイミングです。散布後は軽く散水して資材を土に馴染ませます。

石灰と窒素肥料を同時に与えると化学反応でアンモニアが発生し、根を傷める原因になります。両者の間隔は最低で一週間、可能であれば二週間空けてください。

関連資料:長野の庭を彩る芝生の種類と地域に合った選び方

8. 部分的に枯れた場所の張り替え手順

原因を取り除いても、株そのものが完全に死んでいる部分は自力では戻りません。地際の茎を指で引いてみて、抵抗なく抜ける、内部が茶色く乾いているという状態なら再生は望めません。この場合は張り替えによって物理的に埋める判断が必要です。周囲から匍匐茎が伸びて自然に覆う場合もありますが、直径30cmを超える範囲では年単位の時間がかかります。

作業の適期は四月から六月です。この時期なら根の活動が旺盛で、二週間から三週間で定着します。九月も可能ですが、根が張り切る前に低温期を迎えるため、長野県内では春の作業が有利です。冬季の張り替えは活着せず、そのまま枯死する結果になりがちです。

手順の要点は、枯れた部分を「土ごと」除去することにあります。表面の葉だけ剥がして新しい苗を置いても、下層に残ったサッチや固結した土がそのまま障害になり、同じ場所で再び枯れます。深さ5cmから8cmを掘り取り、新しい床土を入れて平らに整えてから苗を敷きます。下地を作り直す工程を省略すると、作業そのものが無駄になります

張り替え作業の順序


  • 枯れた範囲を四角く切り取り、深さ5〜8cmの土ごと除去します。

  • 新しい床土で高さを合わせ、苗を密着させて目土と散水で仕上げます。

枯れた範囲を切り取る深さと形

切り取りは円形ではなく四角形にします。直線であれば新しい苗との隙間が生じにくく、境目が目立ちません。園芸用のスコップを垂直に入れ、周囲の健全な部分を1cmほど含めて切り離してください。

取り除いた後は底面を軽くほぐし、水の抜けを確認します。水が溜まる場合は砂を混ぜた土で床を作り直します。

目土入れと定着までの管理

苗を置いたら足で軽く踏み、隙間なく密着させます。継ぎ目には目土を擦り込み、段差を消します。この作業を丁寧に行うほど、境界の乾燥が防げます。

定着までの二週間は毎日の散水を欠かさず、立ち入りも控えます。刈り込みは新芽が3cm以上伸びてから始めてください。

9. 芝生の手入れで最も重要な観察のタイミング

ここまでの対処法はいずれも、症状が現れてからの行動です。しかし実際に差が出るのは、変化に気付く早さです。ブラウンパッチは二日で数倍に広がり、シバツトガの幼虫は一週間で葉を食い尽くします。週に一度でも定点で確認する習慣があれば、被害面積は大きく変わります。

観察に適した時間帯は早朝です。露が残る時間には菌糸が見え、夜間に活動した害虫の痕跡も残っています。日中の強い光では色の違いが飛んでしまい、初期の変化を見落としがちです。角度も重要で、真上から見るのではなく、地面と目線を近づけて斜めから見ると、色の濃淡や密度の差がはっきり浮かび上がります。

記録を残すことも実務的な効果があります。スマートフォンで同じ位置から週一回撮影しておけば、色の変化や範囲の拡大が客観的に比較できます。記憶に頼ると「去年もこの時期だったか」があいまいになり、予防のタイミングを逃します。同じ場所・同じ角度・同じ曜日で撮るという条件を揃えるだけで、記録は判断材料へと変わります。

朝の見回りで確認する三つの箇所

優先して見るべきは、建物の北側、フェンスや植栽で風が止まる場所、そして人が最も歩く経路です。この三か所は病害・害虫・固結それぞれが最初に現れる地点にあたります。

異変を見つけたら、その場で地際を指で掻き分け、糞や菌糸の有無を確認します。判断がついた時点で対処に移れば、範囲は最小限で収まります。

季節ごとに切り替える点検の視点

春は発芽の揃い方と雑草の混入、梅雨は病斑の有無、盛夏は乾燥と肥料焼け、秋はサッチの厚みと害虫の最終世代を見ます。季節によって疑うべき原因が変わるため、視点も入れ替える必要があります。

冬は休眠して茶色くなりますが、これは異常ではありません。休眠色を枯れと誤認して手を加えないことも管理の一部です。

10. 復活させた芝生を再び美しく保つ方法

回復した状態を維持するには、作業を年間の流れとして組み立てる考え方が必要です。症状が出てから動く対応を繰り返している限り、毎年同じ場所で同じ問題が起こります。長野県内は生育期間が本州南部より短く、四月から十月に作業が集中します。この限られた期間内で、どの月に何をするかを決めておくと判断に迷いません。

年間の骨格は明確です。三月から四月は目土入れと石灰による酸度調整、五月から六月はエアレーションと張り替え、そして刈り込みの開始。七月から八月は散水管理と病害虫の監視に集中し、施肥は控えめにします。九月はサッチ除去と秋の施肥、十月に最後の刈り込みを行って休眠へ向かわせます。

刈り込みは維持管理の中心にあります。一度に葉の三分の一以上を刈ると株が弱り、病害への抵抗力が落ちます。生育期は週に一回、高さ3cmから4cmを保つ運用が理想的です。刈った草は必ず回収し、サッチの蓄積を防ぎます。刈る・回収する・水を切らさないという三点を維持できれば、大きな崩れは起こりません。特別な資材や技術よりも、この反復が結果を左右します。

刈り込み高さと頻度の適正値

高麗芝であれば3cmから4cmが基準です。低く刈り込みすぎると光合成量が減り、高すぎると内部が蒸れて病害の温床になります。刈り高は季節を通じて一定に保ちます。

頻度は生育速度に合わせます。伸びが速い六月から八月は週一回、春秋は二週に一回が目安です。間隔が開いた場合は二回に分けて段階的に下げてください。

年間スケジュールに組み込む予防作業

予防の要は、病害が発生する前の環境整備です。梅雨入り前に周囲の植栽を剪定して風を通し、水が溜まる箇所を目土で調整しておくと、発生率が下がります。

害虫は六月下旬と八月上旬が発生の節目です。この時期に石鹸水で生息を確認する作業を組み込めば、被害が広がる前に薬剤を使う判断ができます

原因の特定から始める回復と維持の実践

枯れの回復で最も重要な工程は、作業を始める前の原因特定です。変色の輪郭と広がり方、根と土の状態、株元の痕跡という三つの手がかりを確認すれば、水分不足・病害・害虫・土壌環境のどれに該当するかは判断できます。原因が違えば有効な対処も変わるため、この順序を飛ばした作業は成果に結びつきません。

まず着手すべきは、移植ゴテで一か所掘り、根と土の断面を見ることです。そのうえで固結が確認できればエアレーション、サッチが厚ければ除去、pHが低ければ石灰と、必要な工程を選びます。回復後は年間スケジュールに沿った刈り込みと監視を続けてください。原因に対応した処置と定期的な観察の積み重ねが、状態を安定させる唯一の方法です。

芝生が枯れる原因と手入れに関するよくある質問

Q. 全体が茶色くなったら手遅れですか?

A. 地際の茎が緑を保っていれば回復します。

葉を掻き分け、株元の色と茎の硬さを確認してください。指で引いて抵抗があれば生きています。抵抗なく抜ける部分のみ張り替えの対象です。

Q. 原因がわからない時は何から試すべきですか?

A. 土を掘って根と断面を確認する作業が最初です。

深さ10cmの土を持ち上げ、湿り具合と根の色を見ます。薬剤や肥料を試す前に行うことで、無駄な処置と悪化を避けられます。

Q. 真夏にエアレーションをしても大丈夫ですか?

A. 高温期の実施は避けてください。

傷口の回復に体力を使うため、猛暑と重なると衰弱します。五月から六月、または九月に実施し、夏は散水と監視に専念します。

Q. 冬に茶色くなるのは枯れたのでしょうか?

A. 日本芝の休眠色であり異常ではありません。

気温が下がると地上部は褐色に変わり、春に再び芽を出します。この期間は施肥や散水を控え、立ち入りを減らして待ってください。

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FOURSIDE Team

「庭から始まる、 家族の新しい物語」

長野県松本市を中心に地域に根ざした外構・エクス テリアのデザイン・施工を実施。 庭を単なる 「家の 「外側」ではなく、 家族の笑顔を育み、 四季の移ろい を感じる「もう一つのリビング」 と考えています。 お客様一人ひとりのライフスタイルに寄り添い、 住まいの価値をさらに高める空間をプロデュース します。

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  • 創 業 :2014年4月1日
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