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2025年8月19日

狭い庭でも快適な空間に変える庭リフォームアイデア

 

「狭いから仕方ない」その思い込みを、感動の体験へと塗り替える。

「古くなって雑然としてしまった」「使い勝手が悪く、もう何年も庭に出ていない」「そもそも狭すぎて、どう活用すれば良いのかわからない」。住まいに付属する小さな庭は、本来であれば暮らしに潤いと喜びをもたらすはずの空間です。しかし、多くの家庭で、その価値を見出せないまま、ポテンシャルを眠らせた、ただの「スペース」と化してしまっているのではないでしょうか。

その背景にあるのは、「うちの庭は狭いから」という、一種の諦めの感情です。しかし、私たちが提案したいのは、全く逆の発想です。庭リフォームとは、単に古くなったものを新しくする修繕作業ではありません。それは、狭さという課題を創造的に解決し、既存の空間に全く新しい価値と可能性を吹き込む「空間の再発明」なのです。限られたスペースだからこそ、デザインの密度が高まり、ディテールへのこだわりが際立ち、まるで自分だけの特別な隠れ家のような、凝縮された豊かな空間を創り出すことができます。

この記事では、単なる表面的なリフォーム事例の紹介にとどまらず、狭さを克服し、むしろそれをデザインの魅力へと転換するための、戦略的な思考法と具体的なリフォームのアイデアを、プロフェッショナルの視点から体系的に解説していきます。あなたの庭が持つ、まだ見ぬ可能性の扉を、共に開きましょう。

 

1. 狭い庭を広く見せるリフォームデザインのコツ

狭い庭をリフォームする上で最も重要な課題は、いかにして空間に「広がり」と「奥行き」をもたらすか、という点にあります。物理的な面積は変えられませんが、視覚的な効果を巧みに利用したデザインリフォームによって、庭を実際よりもはるかに広く、開放的に感じさせることが可能です。

そのための基本となるのが、絵画にも用いられる「遠近法」の考え方を、庭のレイアウトに適用することです。例えば、既存の庭にアプローチやテラスを新設する場合、手前側(家側)には比較的大きなサイズのタイルや、色の濃い素材を用い、庭の奥へ行くに従って、より小さなサイズのタイルや、白っぽい明るい色の素材へと変化させていきます。このグラデーションによって、視覚的な奥行きが強調され、空間がぐっと広く感じられるようになります。

また、既存の直線的なアプローチや花壇のラインを、リフォームによって「斜め」や「曲線」のラインに変えるのも非常に効果的です。直線は視線を最短距離で終点に導いてしまい、狭さを助長しますが、緩やかなS字カーブを描く小道や、庭を対角線に横切るようなデザインのテラスは、視線を長く、そしてゆっくりと庭の奥へと誘導します。この「視線の滞在時間」を長くすることが、心理的な広がりを生み出すのです。

さらに、庭の一番奥に、視線を集める「フォーカルポイント」を新たに設置するリフォームも有効です。既存のフェンスの前に、デザイン性の高いプランターに植えた一本の美しい樹木を置いたり、小さな水鉢を設置したりする。この一点に視線が集中することで、そこまでの距離感が明確になり、庭全体に計算された奥行き感が生まれます。

2. 限られたスペースを有効活用するレイアウト術

狭い庭のリフォームでは、限られた面積をいかに効率的に、そして多目的に活用できるかが成功の鍵となります。地面という二次元のスペースだけでなく、壁面や上空といった三次元の空間を最大限に利用し、デッドスペースをなくすレイアウト術が求められます。

「縦の空間」をリフォームで開拓する

リフォームを考える際、多くの人は床面をどうするか、という平面的な発想に陥りがちです。しかし、狭い庭で劇的な変化を生むのは「縦の空間」の活用です。

例えば、これまで何も活用されていなかった隣家との境界のブロック塀や、建物の壁面。ここに、ウッド調のパネルやラティスフェンスを新たに取り付けるリフォームを行うだけで、無機質な壁が、ツル性の植物を這わせたり、ハンギングバスケットを飾ったりするための、美しい「緑のキャンバス」へと生まれ変わります。

また、庭の一角にパーゴラ(つる棚)を設置するリフォームも有効です。フジやブドウといったツル植物を這わせれば、夏には涼しい木陰を作り出す「緑の屋根」となり、上空の空間を有効活用できます。地面の面積を変えることなく、庭に立体的なボリュームと、新しい機能を追加することができるのです。

「高低差」が生み出す空間のメリハリ

平坦で単調な庭は、その狭さをより一層強調してしまいます。リフォームによって、意図的に「高低差」を生み出すことで、空間にメリハリと視覚的な広がりが生まれます。

最も代表的なリフォームが、リビングの前にウッドデッキやタイルテラスを新設することです。室内と同じ高さで屋外空間を設けることで、内と外がシームレスに繋がり、リビングが庭まで続いているかのような開放感が生まれます。

また、庭の一角に、レンガや枕木で数段のステップを設けたり、地面より一段高くした花壇「レイズドベッド」を造作したりするのも効果的です。レイズドベッドは、土壌の管理がしやすく、植物の手入れが楽になるという実用的なメリットだけでなく、その立ち上がりが空間のアクセントとなり、庭全体を立体的に見せてくれます。単調な平面から、変化に富んだ立体的な空間へ。それが、高低差リフォームの最大の魅力です。

3. 庭リフォームで重要な植栽の配置テクニック

庭のリフォームにおいて、植栽は空間の印象を決定づける主役です。既存の植栽を整理し、新たな植物を戦略的に配置し直すことで、狭い庭でも驚くほどの奥行きと、洗練された雰囲気を創り出すことができます。

既存樹木の「整理」と「再配置」から始める

リフォームの第一歩は、まず現在の庭にある植物を見直し、整理することから始まります。大きくなりすぎて日当たりを遮っている木、なんとなく植えたまま雑然としている低木、あるいは手入れが大変で手に負えなくなっている植物などはありませんか。

時には、思い切って不要な木を伐採・抜根するという決断も必要です。それだけで、庭に光と風が通り、空間が見違えるほど広く感じられるようになります。そして、残すことにした植物は、その特性を活かせる最適な場所へと移植(再配置)します。例えば、これまで庭の中央にあった木を、庭の隅(コーナー)に移動させるだけで、空間の使い勝手と見た目の広がりが大きく改善されることがあります。この「整理」と「再配置」こそが、植栽リフォームの最も基本的な、そして効果的なプロセスです。

空間を引き締める「フォーカルポイント」としての植栽

新たに植物を加える際には、庭全体の「フォーカルポイント(視線が集中する場所)」となる、主役級の植栽をまず考えます。狭い庭では、多くの見せ場を作るのではなく、視線を集めるポイントを一つか二つに絞ることが、まとまりのあるデザインを生むコツです。

例えば、玄関ドアの対角線上や、リビングの窓から最もよく見える場所に、一本だけ、樹形の美しい株立ちの落葉樹(例:アオダモ、ヒメシャラなど)を植えます。その一本が空間の核となり、庭全体が引き締まります。あるいは、デザイン性の高い大きなプランターに、季節の寄せ植えを作り、それをフォーカルポイントとして配置するのも良いでしょう。これなら、季節ごとに入れ替えることで、常に庭に新鮮な表情をもたらすことができます。

「隠す」ことで生まれる、奥への期待感

狭い庭では、つい全ての要素を一目で見渡せるように配置してしまいがちです。しかし、これはかえって空間の限界を露呈させ、狭さを強調してしまいます。上級テクニックとして、あえて庭の一部を「隠す」ことで、視覚的な奥行きを演出する方法があります。

例えば、アプローチの途中に、背の高いグラス類(カレックスなど)や、透け感のある低木を植え、その先にある庭の奥が直接見えないようにします。あるいは、L字型にデザインウォールを配置し、その裏側に小さなベンチを置く、といったリフォームも考えられます。

このように、意図的に視線を遮ることで、見る人は「あの先には何があるのだろう?」と奥の空間を想像し、期待します。この心理的な効果が、実際の面積以上の広がりと、庭を散策する楽しみを生み出すのです。

4. コンパクトな庭に合うおすすめの植物リスト

狭い庭のリフォームを成功させるには、将来にわたってその大きさを維持管理できる、コンパクトな植物を選ぶことが絶対条件です。ここでは、限られたスペースでも美しさを長く保ち、管理の手間も少ない、初心者にもおすすめの植物の選び方を解説します。

成長しても邪魔にならない「スマートな樹木」

庭に立体感と風格を与える樹木は不可欠ですが、狭い庭ではその選定に細心の注意が必要です。リフォームで植え替えるなら、成長しても横に大きく広がらず、コンパクトな樹形を維持できる性質のものが最適です。

代表的なのが、その名の通り鉛筆のように細い樹形を保つ「スカイペンシル」です。ほとんど剪定を必要とせず、狭いスペースの縦のラインを強調するのに役立ちます。また、繊細な葉と軽やかな樹形が人気の「アオダモ」や、初夏に美しい花を咲かせる「ヒメシャラ」の株立ちも、圧迫感を与えにくく、おすすめです。これらは、既存の大きくなりすぎた木からの植え替えリフォームに最適です。

管理が楽で一年中美しい「宿根草」と「低木」

季節ごとに植え替える一年草も魅力的ですが、毎年の手間を考えると、一度植えれば何年も楽しめる「宿根草(しゅっこんそう)」「常緑低木」を中心に植栽計画を立てるのが、ローメンテナンスな庭づくりの基本です。

宿根草の中でも、日陰に強く、葉の色や形のバリエーションが豊富なギボウシ(ホスタ)やヒューケラは、狭い庭のシェードエリアを彩るのに最適です。また、クリスマスローズは、冬の寂しい庭に美しい花を咲かせてくれる貴重な存在です。

常緑低木では、春に香りの良い花を咲かせるジンチョウゲや、コンパクトな樹形のアベリアなどが育てやすく、年間を通して庭に緑を提供してくれます。手のかかる草花が多い庭を、これらの宿根草や低木中心の庭にリフォームするだけで、管理の手間は劇的に軽減されます。

雑草を抑え、地面を彩る「グランドカバープランツ」

狭い庭では、地面の美しさも疎かにできません。雑草対策として防草シートや砂利を敷くのも一つの手ですが、地面を覆うように広がる「グランドカバープランツ」を植えるリフォームは、景観を美しく保ちながら雑草を抑制する、一石二鳥の方法です。

日当たりの良い場所であれば、踏みつけに強く、かわいらしい花を咲かせるクリーピングタイムヒメイワダレソウがおすすめです。半日陰の場所であれば、明るい葉色が美しいリシマキアや、青い花が魅力的なベロニカ ‘オックスフォードブルー’、そしてシックな葉色のアジュガなどが適しています。

これまでの土がむき出しだったエリアや、雑草に悩まされていた場所に、これらのグランドカバープランツを植えるだけで、庭の景観は一変し、ローメンテナンスで美しい緑のカーペットが手に入ります。

5. 狭い庭を開放的に見せるカラーコーディネート

色彩が人間の心理や空間認識に与える影響は計り知れません。狭い庭をリフォームする際には、この色彩の力を戦略的に利用することで、物理的な広さ以上の、開放的で洗練された印象を創り出すことが可能です。

視覚的な奥行きを生む「後退色」の活用

空間に奥行きを感じさせるための最も基本的な色彩テクニックが、「進出色」と「後退色」を意識した配置です。進出色(赤、黄、オレンジなどの暖色系)は手前に飛び出して見え、後退色(青、青紫、白などの寒色系)は後ろに下がって見えるという、目の錯覚を利用します。

これを庭のリフォームに応用します。例えば、庭の一番奥にあるフェンスや壁を、白や、淡いブルーグレーといった後退色に塗り替えるリフォームを行います。たったこれだけでも、壁面が実際よりも遠くにあるように感じられ、庭全体に奥行きが生まれます。

また、植栽計画においても、庭の手前側には暖色系の花を、奥側には青や白の花を配置することで、同様の遠近効果を得ることができます。既存の植栽を整理し、この色の法則に従って配置し直すだけでも、庭の広さの印象は大きく変わります。

光を味方につける「ブライトカラー」の効果

狭い空間を広く見せるためには、空間全体をできるだけ明るく見せることが重要です。具体的には、壁、フェンス、そして床面といった、庭の面積の大部分を占める要素に、ホワイト、アイボリー、ライトベージュ、明るいグレーといった色を採用します。これらの色は、太陽光を効果的に反射し、庭全体を明るく、軽やかで、開放的な雰囲気にしてくれます。

特に、既存のブロック塀などが暗い色である場合、その圧迫感は相当なものです。これを、屋外用の明るい色の塗料でペイントするDIYリフォームは、最もコストパフォーマンスの高い、印象改善の方法の一つです。光を味方につけるカラーコーディネートが、狭い庭の閉塞感を払拭します。

色数を絞り、洗練された統一感を

おしゃれで高級感のある空間に共通するのは、使用する色数が抑制され、全体に統一感があることです。狭い庭に多くの色を無秩序に用いると、視覚情報が過多になり、雑然として、かえって狭さを強調してしまいます。

リフォームを機に、庭全体のカラーパレットを基本3色程度に絞り込むことを意識しましょう。例えば、「ベースカラー:ライトグレー(壁・床)」「アソートカラー:ダークブラウン(ウッドデッキ・家具)」「アクセントカラー:植栽のグリーン」といった具合です。

この抑制された色調の中に、ワンポイントだけ、鮮やかな色を「アクセントカラー」として加えると、空間全体が引き締まり、視線を集めるフォーカルポイントとなります。例えば、真っ赤なポストに交換する、あるいは鮮やかなブルーのクッションをガーデンチェアに置く。この計算された「差し色」が、ミニマルな空間に遊び心と、ハイセンスな印象を加えてくれるのです。

6. リフォームでおしゃれにする照明の活用方法

夜の庭の表情は、照明一つで劇的に変わります。日中は狭さが気になっていた庭も、ライティングリフォームによって、夜には奥行きのある、幻想的で上質な空間へと生まれ変わらせることができます。光と影を巧みに操ることで、昼間とは全く異なる価値を庭に与えるのです。

複数の光で奥行きを創る「多灯分散」リフォーム

既存の庭に、玄関灯などの一つの強い照明しかない場合、夜になると庭全体が均一に照らされ、かえってその狭さや単調さが際立ってしまいます。これを改善するリフォームの基本が、複数の小さな光源を、効果的な場所に分散して配置する「多灯分散」の考え方です。

例えば、後付けが容易なソーラー式のLEDスポットライトを数個用意します。一つは、庭のコーナーに植えたシンボルツリーの足元に設置し、下から照らし上げる(アップライティング)。もう一つは、デザイン性の高い壁面や、お気に入りのオブジェに向けて設置する。さらに、アプローチの足元には、やはりソーラー式のフットライトを数個、リズミカルに埋め込む。

たったこれだけの「光の追加」リフォームで、庭には明るい部分と暗い部分のコントラストが生まれ、昼間にはなかった奥行きと立体感が劇的に現れます。

縦のラインを強調する「アップライティング」

狭い庭を広く見せるための、最も効果的なライティングテクニックが「アップライティング」です。これは、光源を低い位置に置き、対象物を下から上へと照らし上げる手法で、リフォームでも比較的簡単に追加することができます。

壁際に植えたスマートな樹木や、縦格子のフェンス、あるいは建物の壁そのものを下から照らすと、光の筋が上へと伸び、見る人の視線を自然と縦方向へと誘導します。これにより、意識が水平方向の「狭さ」から、垂直方向の「高さ」や「広がり」へと転換され、空間が実際よりも高く、開放的に感じられるのです。

また、アップライティングは、植物の葉の裏側や、壁の素材感をドラマチックに浮かび上がらせる効果もあります。夜の庭を、非日常的で幻想的なアート空間へと変貌させる、非常にパワフルな照明リフォームです。

光源を隠して上質感を演出する「間接照明」

リフォームで高級感のある落ち着いた雰囲気を演出したいなら、光源そのものを直接見せない「間接照明」の導入を検討しましょう。

例えば、ウッドデッキの下や、レイズドベッド(立ち上げ花壇)の縁の下に、防水仕様のLEDテープライトを仕込むリフォーム。光源は見えませんが、その光が地面や壁に反射し、足元から柔らかく空間を照らし出します。これにより、まるでデッキや花壇が宙に浮いているかのような、浮遊感のあるモダンな印象を創り出すことができます。

また、既存のフェンスの裏側に、ソーラー式のストリングライトを這わせるだけでも、壁面全体がほのかに明るくなり、効果的な間接照明となります。直接的な強い光ではなく、反射した柔らかな光で空間を満たすこと。それが、狭い庭を上質なナイトガーデンへと変える、洗練された照明リフォームの秘訣です。

7. 小さなスペースに適したガーデンファニチャーの選び方

庭に、お気に入りの椅子やテーブルが一つあるだけで、そこは単なる屋外スペースから、読書をしたり、コーヒーを楽しんだりするための、特別な「居場所」になります。狭い庭のリフォーム計画においては、どのような家具を選ぶか、そしてそれを置くためのスペースをどう設えるかが、空間の価値を大きく左右します。

圧迫感を生まない「スケール感」と「デザイン」

狭い庭に家具を置く際、最も犯してはならない失敗が、空間の広さに見合わない、大きすぎる家具を選んでしまうことです。どっしりとした重厚なテーブルセットは、それだけで庭を埋め尽くし、強烈な圧迫感を生み出してしまいます。

選ぶべきは、コンパクトで、線の細い、軽やかなデザインのものです。例えば、直径60cm程度の小さなカフェテーブルと、アームレストのない華奢なチェアのセット。あるいは、奥行きが浅く、背もたれも低いベンチなどが適しています。

さらに、視線が抜けるデザインであることも重要です。椅子の背もたれがメッシュ状や格子状であったり、テーブルの天板がガラスであったりすると、家具の向こう側が見通せるため、空間の広がりを阻害しません。家具を選ぶ際には、常に「庭のスケール感に合っているか」「視線の抜けを妨げないか」という二つの基準を念頭に置きましょう。

家具を置くための「ステージ」を作るリフォーム

気に入った家具を見つけても、それを置く場所が不安定な土の上や、雑草だらけの場所では、快適に使うことはできません。家具を置くことを前提とした「ステージ」をリフォームで作るという発想が重要です。

例えば、リビングの掃き出し窓の前に、小さなタイルテラスや、ウッドデッキのスペースを新設します。地面を平坦で硬質な素材にリフォームすることで、テーブルや椅子を安定して置くことができ、室内からの出入りもスムーズになります。このステージの素材を、室内のフローリングの色と合わせることで、内外の一体感が生まれ、空間がより広く感じられる効果もあります。

「多機能性」と「収納性」でスペースを有効に

限られたスペースでは、一つの家具に複数の役割を持たせる「多機能性」や、必要な時だけ使える「収納性」が、空間活用の鍵となります。

リフォームで設置を検討したいのが、座面の下が収納庫になっている「収納ベンチ」です。ガーデニング用品や掃除道具などをしまっておけるだけでなく、庭のアクセントウォールとしての役割も果たします。

また、常に家具を常設するのではなく、折りたたみ式のテーブルやチェアを選べば、天気の良い日にだけ広げてカフェスペースとして楽しみ、普段はコンパクトに収納しておくことができます。スタッキング(積み重ね)できるチェアも、省スペースに貢献します。こうした柔軟な使い方ができる家具を選ぶことで、小さな庭の用途は無限に広がります。

8. メンテナンスが楽な庭リフォームの工夫

「リフォームで美しい庭を手に入れたけれど、その後の手入れが大変で、結局、元の荒れた庭に戻ってしまった」。これは、庭リフォームにおける最も悲しい失敗です。特に、作業スペースも限られる狭い庭では、計画段階から「いかにメンテナンスの手間を減らすか」を徹底的に考えることが、美しい状態を長く維持するための絶対条件となります。

「雑草との戦い」に終止符を打つ地面のリフォーム

庭の管理で最も多くの時間を奪われるのが、雑草の手入れです。この根本的な問題を、リフォームによって解決しましょう。

もし現在の庭が土のままで、雑草に悩まされているのであれば、高品質な「防草シート」を敷き詰め、その上を化粧砂利やウッドチップ、あるいは人工芝で覆うリフォームが最も効果的です。これにより、雑草が生える原因となる光を遮断し、面倒な草むしりの作業からほぼ完全に解放されます。

また、コンクリートやタイルで地面を覆う面積を増やすのも有効な手段です。見た目もすっきりとモダンになり、掃除もホウキで掃くだけで済みます。植物を楽しみたいエリアは、後述するレイズドベッドやコンテナに限定することで、土が露出する面積を最小限に抑えるのがポイントです。

植栽エリアを「区切る」ことで管理を効率化

庭全体に植物を点在させると、水やりや施肥、剪定といった手入れの動線が長くなり、非効率です。リフォームを機に、植栽エリアを明確に「区切る」ことを考えましょう。

そのための最適な方法が、レンガや木材で「レイズドベッド(立ち上げ花壇)」を造作することです。植栽スペースが物理的に区切られるため、土や肥料が他の場所に流出するのを防げます。また、地面より高い位置に植物があるため、立ったままや、縁に腰掛けた楽な姿勢で作業ができ、身体への負担が格段に軽減されます。

あるいは、植栽はコンテナ(鉢植え)を中心に行う、と割り切るのも賢明な選択です。水やりも個々の鉢に行えばよく、病害虫が発生した場合も、その鉢だけを隔離して対処することができます。

「自動化」テクノロジーの導入

日々のメンテナンス作業の一部を、テクノロジーの力で「自動化」するリフォームも、積極的に検討しましょう。

最も効果的なのが、「自動散水システム(灌水タイマー)」の設置です。指定した時間に、指定した量だけ、自動で水やりを行ってくれるため、毎日の手間が省けるだけでなく、水のやり忘れや、やりすぎといった失敗を防ぐことができます。特に、旅行などで長期間家を空ける際の安心感は絶大です。

また、夜間の照明も、ソーラー充電式光センサー付きのものにリフォームすれば、スイッチ操作の手間が一切かからず、ランニングコストも抑えられます。こうした「手間を減らす」ための投資こそが、庭との良好な関係を長く続けていくための秘訣なのです。

9. 狭い庭でも楽しめるDIYリフォームアイデア

プロによる本格的なリフォームだけでなく、自分の手で少しずつ庭に手を加えていくDIYリフォームは、コストを抑えられるだけでなく、庭への愛着を深める最高の機会となります。ここでは、特別な技術がなくても挑戦できる、狭い庭の印象を劇的に変えるDIYアイデアを紹介します。

「ペイント」で壁やフェンスをリフレッシュする

既存の要素の中で、最も手軽に、そして劇的に印象を変えられるDIYが、「ペイント(塗装)」です。

例えば、長年の雨風で薄汚れてしまったコンクリートブロック塀や、古くなったウッドフェンス。これらを、高圧洗浄機などで綺麗にした後、屋外用の塗料で塗り替えるだけで、庭全体が見違えるほど明るく、清潔感のある空間に生まれ変わります。色は、空間を広く見せる効果のある白や明るいグレーがおすすめです。既存のものを活かしながら、最小限のコストで最大のイメージチェンジが可能な、非常に効果的なリフォーム術です。

「すのこ」や「ウッドパレット」で手軽に木の温もりを

木の温もりは庭に安らぎを与えてくれますが、本格的なウッドデッキやウッドフェンスの設置は、費用も手間もかかります。そこで活躍するのが、ホームセンターで安価に手に入る「すのこ」や、リサイクル品の「ウッドパレット」です。

すのこを数枚連結させ、防腐・防カビ効果のある塗料で塗装すれば、壁面に立てかけるだけで、簡易的なウッドパネルとして機能します。フックを取り付ければ、小さな鉢植えを飾るウォールガーデンにもなります。また、ウッドパレットを地面に並べて敷けば、あっという間に小さなウッドデッキ風のスペースが完成します。これらの材料は、加工が容易で、アイデア次第で様々な表情を見せてくれる、DIYの強い味方です。

「レンガ」や「平板」で小道やテラスを作る

殺風景な土の庭に、レンガやコンクリート製の平板を並べて、小道(パス)や小さなテラススペースを作るのも、人気のDIYリフォームです。

地面を少し掘り下げて砂を敷き、水平器で水平を確認しながら、一つひとつ丁寧に並べていきます。直線的に並べるだけでなく、曲線を描くように配置したり、異なる種類の素材を組み合わせたりすることで、オリジナリティあふれるデザインに挑戦できます。時間はかかりますが、自分の手で石畳の小道が完成していくプロセスは、何物にも代えがたい達成感を与えてくれるでしょう。この小さなステージが、庭全体のアクセントとなり、空間にリズム感と機能性をもたらします。

10. 成功事例から学ぶ狭小庭のリフォームプラン

最後に、狭いという制約を見事に克服し、魅力的で機能的な空間へと生まれ変わらせた、具体的なリフォームの成功事例から、その設計思想とテクニックのエッセンスを学びましょう。

【事例1】雑然とした裏庭から、静寂の「坪庭」へ

かつては物置と雑草しかなかった、建物の北側に位置する日当たりの悪い裏庭。この「忘れられた空間」を、日本の伝統的な美意識である「坪庭」のスタイルでリフォームした事例です。

まず、地面を覆っていた雑草と土を撤去し、防草シートを敷いた上で、白川砂(白い化粧砂利)を敷き詰め、清潔感と明るさを確保。壁際には、日陰に強いシダ類やギボウシなどを中心とした植栽を配置し、景石と、水の音で癒やしをもたらす水琴窟(すいきんくつ)を設置しました。

リフォームによって、この空間は単なる裏庭から、室内から眺めて楽しむ「静寂のアート空間」へと生まれ変わりました。最小限の要素と、抑制された色彩によって、狭さを感じさせない、凛とした品格のある空間を創り出した好例です。

【事例2】使われていなかったテラスを、緑の「バーティカルガーデン」へ

マンションの1階にある、コンクリート敷きの殺風景な専用庭。日当たりも悪く、隣家からの視線も気になるため、ほとんど活用されていませんでした。このテラスを、壁面を主役にした「バーティカルガーデン(垂直庭園)」へとリフォームした事例です。

隣家との境界のフェンスに、ウッド調のパネルを張り、そこに多数のプランターを設置できるシステムを取り付けました。そして、日陰に強い様々な種類の観葉植物やカラーリーフプランツを配置。床面には、温かみのあるウッド調タイルを敷き詰めました。

これにより、無機質だった空間は、まるで「緑の壁」に包まれたような、プライベート感あふれる癒やしの空間へと一変。平面的な広さではなく、垂直方向の緑の豊かさで、空間の価値を劇的に高めた、都市型ガーデニングの優れた解決策と言えます。

【事例3】リビングと一体化させた「アウトドアリビング」リフォーム

リビングの前に、とってつけたような小さな土の庭があるだけだった空間。これを、室内との連続性を徹底的に意識してリフォームし、広々とした「アウトドアリビング」を実現した事例です。

最大のリフォームポイントは、リビングのフローリングと全く同じ色、同じ木目調のウッドデッキを、リビングと同じ高さ(フラット)で設置したことです。掃き出し窓を開け放つと、内と外の床が一体化し、まるでリビングがそのまま庭にまで広がったかのような、圧倒的な開放感が生まれました。

さらに、デッキの周囲には、室内からの視線を遮らない高さの植栽を配置し、夜には間接照明でライトアップ。小さな折りたたみ式のテーブルとチェアを置けば、そこはもう一つのダイニングルームとなります。内外の境界線を曖昧にすることで、物理的な面積以上の広がりを体感させる、見事なリフォームプランです。

庭リフォームは、暮らしの可能性を再発見する旅である。

「狭い庭」という言葉に、私たちはつい、限界や諦めといったネガティブな感情を抱いてしまいます。しかし、この記事を通して、その「狭さ」が、工夫とアイデア次第で、いかに豊かで魅力的な価値へと転換できるか、その可能性の一端を感じていただけたのではないでしょうか。

庭のリフォームとは、単に古くなったものを綺麗にする作業ではなく、自らのライフスタイルを見つめ直し、空間に眠っていた潜在能力を最大限に引き出す、創造的な「再発明」のプロセスです。視覚効果で奥行きを生み出し、縦の空間を有効に活用し、選び抜かれた植物や光で彩りを加える。その一つひとつの選択が、諦めていた空間を、家族にとって最も愛着のある、かけがえのない場所へと変えていきます。

庭は、完成したら終わりではありません。リフォームをきっかけに、そこからまた新しい物語が始まります。この記事が、あなたの足元に広がる小さな庭の価値を再発見し、理想の暮らしを実現するための、新たな一歩を踏み出すための勇気となることを、心から願っています。

 

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