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お役立ち情報
2026年2月7日
庭の手入れがラクになる造園術
雑草取りの時間を限りなくゼロに近づける「土を隠す」デザイン手法
剪定や水やりが最小限で済む最強のローメンテナンス植物リスト
初期工事で絶対にやっておくべき防草対策とコストパフォーマンスの最適解
「休日のたびに草むしりに追われて、ちっとも休まらない」「憧れて庭付き一戸建てを買ったけれど、こんなに管理が大変だとは思わなかった」……そんなため息をついていませんか?
庭は、本来生活を豊かにするための場所です。それがストレスの源になってしまっては本末転倒です。実は、手入れが大変な庭には「雑草が生えやすい構造」や「管理が難しい植物選び」といった明確な原因があります。逆に言えば、「造園の段階で手入れの手間を物理的に排除する」ことができれば、庭仕事は驚くほど楽になります。
これから解説するのは、単なる「手抜き」ではありません。長く美観を保ちながら、賢く管理するためのプロの造園テクニックです。私自身、多くの現場で実践し、お客様から「本当に楽になった」と喜ばれている方法ばかりを集めました。雑草との戦いに終止符を打ち、眺めて楽しめる理想の庭を手に入れましょう。
目次
1. 管理が簡単な造園デザインのポイント
「庭=土」という固定観念を捨てる
庭の手入れで最も時間を奪うのは間違いなく「雑草取り」です。雑草が生える条件は、そこに土があり、光があり、水があること。つまり、「土が露出している面積」を減らすことが、管理を楽にするための最大の近道です。
多くの人が「庭を作ろう」とすると、とりあえず土を残して何か植えようと考えがちですが、これが苦労の始まりです。管理が簡単なデザインの鉄則は、「植栽スペース(土の部分)」と「舗装スペース(コンクリート、タイル、砂利などの部分)」を明確に分け、植栽スペースの面積を、自分が無理なく管理できる範囲(例えば全体の2割など)に限定することです。
「緑が減ると殺風景になるのでは?」と心配されるかもしれませんが、そうではありません。要所要所にシンボルツリーや寄せ植えを配置し、残りの地面を美しいタイルや化粧砂利で覆うことで、ホテルのような洗練された空間になり、むしろメリハリの効いた美しい景観が生まれます。
雑草を物理的に遮断する「ゾーニング」
デザイン段階で意識すべきなのが、植栽エリアとそれ以外の境界線をはっきりさせる「ゾーニング」です。曖昧な境界線は、芝生が花壇に侵入したり、砂利の中に土が混じって雑草が生えたりする原因になります。
レンガやピンコロ石、専用のエッジング材を使って、物理的にエリアを区切ってください。特に芝生を導入する場合、このエッジング(見切り)処理が甘いと、芝の根がどんどん広がってしまい、後から収拾がつかなくなります。「ここは植物の場所」「ここは人が歩く場所」と線引きをすることが、将来のメンテナンス時間を大幅に削減します。
「足し算」ではなく「引き算」の思考法
理想の庭を思い描くと、「あれも植えたい、これも置きたい」と要素を盛り込みがちですが、ローメンテナンスを目指すなら「引き算」の思考が重要です。
例えば、落葉樹は季節感があって素敵ですが、秋には大量の落ち葉掃除が待っています。大きな池や噴水は優雅ですが、水質管理や藻の掃除が必要です。自分のライフスタイルを振り返り、「週末の2時間しか庭仕事ができない」のであれば、その時間内で管理できる要素だけに絞り込みましょう。「管理できないものは置かない」という勇気ある決断が、結果として荒れ放題の庭になるのを防ぎます。
以下の表に、一般的な「手入れが大変な庭」と「管理が楽な庭」の特徴を比較しました。ご自宅の計画がどちらに当てはまっているか確認してみてください。
関連記事はこちら:庭の印象を変える和風造園のコツとポイント
2. 手入れがラクな植物選びと配置方法
「植えっぱなし」の救世主、宿根草と低木
「花のある暮らし」は素敵ですが、季節ごとの植え替えは重労働です。そこで活用したいのが、「宿根草(しゅっこんそう)」と「常緑低木」です。
宿根草は、冬になると地上部は枯れますが、根が生きていて春になると再び芽吹く植物です。一度植えれば数年は植え替え不要で、年々株が大きくなって見応えが増します。代表的なものに、日陰でも育つ「ギボウシ(ホスタ)」や、冬の花が貴重な「クリスマスローズ」があります。
また、常緑低木は一年中葉があり、草花のような頻繁な手入れが不要です。「マホニア・コンフューサ」や「アベリア」などは、病害虫に強く、モダンな和洋どちらの庭にも合うため、プロがよく使う「手抜きに見えない手抜き植物」の代表格です。
成長スピードと最終樹高を知る
苗を買う時、その植物が将来どれくらいの大きさになるか(最終樹高)を確認していますか?「小さいから可愛い」と思って植えたコニファー(針葉樹)が、数年で2階の屋根に届くほど巨大化し、手に負えなくなるケースは非常に多い失敗談です。
ローメンテナンスを目指すなら、「成長が緩やかな樹種」を選びましょう。例えば、「ソヨゴ」や「アオダモ」などは比較的成長がゆっくりで、自然樹形が美しいため、頻繁な剪定(せんてい)を必要としません。逆に、「シマトネリコ」や「ユーカリ」は非常におしゃれで人気ですが、成長スピードが凄まじく早いため、年に数回の剪定を覚悟する必要があります。植物の「10年後の姿」を想像して選ぶことが大切です。
グラウンドカバープランツの選び方
「土を隠して雑草を防ぐ」ために地面を這う植物(グラウンドカバー)を植えるのは有効な手段ですが、ここにも注意点があります。繁殖力が強すぎる植物を選ぶと、他の草花を飲み込んでしまい、逆にその植物自体が「雑草化」してしまうからです。
よくある失敗が「ミント」や「ドクダミ」、「ワイヤープランツ」を地植えにしてしまうこと。これらは地下茎で爆発的に増え、除去が極めて困難になります。おすすめなのは、「クラピア(イワダレソウの改良種)」や「タマリュウ」など、管理がある程度コントロールしやすい品種です。
以下に、初心者でも育てやすく、管理の手間が少ない「最強のローメンテナンスプランツ」を厳選しました。
3. 造園工事の際に意識すべきポイント
見えない部分こそ重要!防草シートの品質
砂利を敷けば雑草が生えないと思っている方が多いですが、これは大きな誤解です。砂利の隙間から日光が入り、土があれば必ず雑草は生えてきます。重要なのは、砂利の下に敷く「防草シート」の品質です。
ホームセンターで安価に売られている織物製の黒いシートは、数年で劣化して破れたり、繊維の隙間から強力な雑草(スギナやチガヤなど)が突き抜けてきたりします。一度砂利を敷いてしまうと、シートの交換には膨大な労力がかかります。
造園工事の際は、少し予算をかけてでも、プロ用(例:デュポン社の「ザバーン240」など)の不織布タイプの高耐久シートを指定してください。この初期投資を惜しまないことが、向こう10年間の草むしりから解放されるための鍵となります。
「水はけ(排水)」が苔とカビを防ぐ
庭の管理で意外と見落とされがちなのが「排水計画」です。水はけが悪い庭は、雨が降るたびに水たまりができ、ジメジメした状態が続くと苔(コケ)やカビが生えやすくなります。コンクリート部分が黒ずんだり、植物が根腐れを起こしたりするのも排水不良が原因であることが多いです。
工事の際には、地面に緩やかな勾配(水勾配)をつけて雨水桝へ水を誘導する設計になっているか、あるいは透水性のある素材を使用しているかを確認しましょう。暗渠排水(あんきょはいすい)などの本格的な設備が必要な場合もありますが、表面の勾配を整えるだけでもメンテナンス性は大きく向上します。
工事前に確認!失敗しないチェックリスト
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防草シートは「不織布タイプ」の高耐久品が指定されているか? - ●
雨水が溜まらないよう、適切な「水勾配」が計画されているか? - ●
芝生や砂利が混ざらないよう、境界に「エッジング材」が入っているか?
4. 庭の管理が楽になるアイデア10選
舗装材を活用した「土を残さない」工夫
前述の通り、土の面積を減らすことがローメンテナンスの基本です。ここでは具体的な舗装材(ペイビング)の選び方を紹介します。
最も手入れが楽なのは「土間コンクリート」や「タイル張り」です。雑草が生える余地がなく、汚れてもデッキブラシで洗えます。初期費用は高くなりますが、維持費と労力はほぼゼロになります。
もう少しナチュラルにしたい場合は、「レンガ敷き」や「インターロッキング」がおすすめですが、目地(隙間)から雑草が生えることがあるため、目地をモルタルで埋めるか、防草砂を使うなどの対策が必要です。予算を抑えたい場合は「防草シート+化粧砂利」が定番ですが、落ち葉掃除がしにくい(砂利と一緒に葉を掃いてしまう)というデメリットもあるため、落葉樹の近くには避けるのが無難です。
「自動散水システム」の導入
夏場の水やりは、旅行にも行けないほどの足かせになることがあります。そこで提案したいのが「自動散水システム」の導入です。大掛かりな工事が必要だと思われがちですが、立水栓(外の水道)に取り付けるだけの簡易的なタイマー式散水機も数千円〜1万円程度で販売されています。
これにホースとスプリンクラー、あるいは点滴ノズルを組み合わせれば、決まった時間に決まった量の水を自動で撒いてくれます。水やりの手間がなくなるだけでなく、「うっかり水やりを忘れて枯らしてしまった」という失敗も防げるため、植物の健康維持にも非常に効果的です。
地植えをやめて「鉢植え(ポット)」で楽しむ
どうしても育てたい植物があるけれど、管理に自信がない……そんな時は、地植えにこだわらず「鉢植え」で管理するのも立派な造園テクニックです。鉢植えなら、植物が巨大化するのを防げますし、季節や日当たりに合わせて移動もできます。
さらに、「ルーツポーチ」のような不織布製のポットを使えば、通気性が良く根腐れしにくい上、不要になった時の処分も簡単です。おしゃれな鉢をタイルの上に数個置くだけでも、十分に緑のある空間を演出でき、土の入れ替えや雑草取りの手間も最小限に抑えられます。
5. DIYでもできる簡単メンテナンスの工夫
「固まる土」を使った雑草対策
業者に頼む予算はないけれど、土のままの通路をどうにかしたい。そんな時に便利なのが、ホームセンターで手に入る「固まる土(防草土)」です。セメントと土が混ざったような素材で、敷き均して水をかけるだけで、コンクリートのようにカチカチに固まります。
見た目は土の風合いを残しつつ、雑草を完全にシャットアウトできます。ただし、施工の厚みが薄いと(3cm未満など)、ひび割れてそこから雑草が生えてくることがあります。DIYで施工する場合は、メーカー推奨の厚み(通常3〜5cm以上)をしっかり守り、転圧(踏み固める作業)を念入りに行うことが成功の秘訣です。
砂利の「厚み」が防草効果を決める
DIYで砂利を敷いたものの、すぐに雑草が生えてきてしまった……というケースの多くは、砂利の量が足りていません。砂利の層が薄いと、日光が地面まで届いてしまうためです。
十分な防草効果を得るためには、少なくとも4〜5cmの厚みが必要です。これは、一見すると「少し多すぎるかな?」と感じるくらいの量です。もし現在、砂利の間から地面が見えているような状態であれば、砂利を追加投入するだけで、雑草の発生率をぐっと下げることができます。
除草剤の正しい選び方と散布時期
「除草剤は怖い」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、最近は用法用量を守れば安全性の高い商品も増えています。メンテナンスを楽にするためには、除草剤を賢く使うのも一つの手です。
- 粒剤(土壌処理剤): 雑草が生える前、または生え始めにパラパラと撒くタイプ。成分が土壌に留まり、長期間(3〜6ヶ月)雑草の発生を抑えます。春先(3月頃)に撒くのが最も効果的です。
- 液剤(茎葉処理剤): 今生えている雑草の葉にかけるタイプ。即効性があり、数日で枯れますが、新たな雑草が生えるのを防ぐ効果はありません。
この2つを使い分けることが重要です。「予防」には粒剤、「対処」には液剤。特に春先の粒剤散布を忘れないだけで、夏の草むしりの苦労は何分の一にも軽減されます。
6. 造園業者に依頼すべきポイントと注意点
「餅は餅屋」プロに任せるべき領域とは
庭づくりには、DIYで安く済ませられる部分と、プロに任せないと後々高くつく部分があります。この線引きを間違えないことが、賢い庭づくりの第一歩です。特に「基礎工事」と「排水計画」に関しては、迷わず造園業者に依頼すべきです。
例えば、駐車場やアプローチの土間コンクリート打ちは、素人が行うと必ずと言っていいほどひび割れや水たまりができます。また、前章でも触れた「水勾配(雨水の流れ)」の計算は専門的な測量が必要です。ここをケチってDIYで行い、家の基礎部分に水が溜まるようになってしまっては、家の寿命すら縮めかねません。「構造物」と「下地作り」はプロに任せ、その上の「植栽」や「砂利敷き」でDIYを楽しむのが、コストとクオリティのバランスが取れた方法です。
「管理が楽な庭」をオーダーする際の魔法の言葉
造園業者に相談に行く際、単に「おしゃれな庭にしたい」と伝えると、管理が大変な(しかし見栄えは最高な)プランが出てくることがあります。担当者にこちらの意図を正確に伝えるためには、以下の具体的なキーワードを使ってオーダーしてみてください。
- 「メンテナンスフリーではなく、ローメンテナンスで」: 完全なメンテナンスフリー(手入れゼロ)は、全てをコンクリートで埋め尽くさない限り不可能です。「手入れを楽しめる範囲(例えば月1回30分程度)に留めたい」と具体的に伝えることで、現実的なプランを引き出せます。
- 「最終樹高が3m以内の常緑樹で」: ただ「木を植えたい」と言うと、将来10mを超えるような高木が提案されることがあります。脚立に乗らなくても自分で剪定できるサイズ感を指定しましょう。
- 「既存の庭石や植物は撤去前提で」: リフォームの場合、業者は「あるものを活かそう」としがちですが、それが管理の邪魔になっているケースが多いです。思い切って「リセットしたい」と伝えることも重要です。
良い業者とそうでない業者の見極め方
残念ながら、中にはデザイン重視で、施工後の管理のことを全く考えていない業者も存在します。契約前に以下の点を確認することで、信頼できるパートナーかどうかを見極めることができます。
関連記事:造園費用を抑えて理想の庭を作るポイント
7. 手入れの頻度を抑える庭づくり事例
事例1:和モダンな「ドライガーデン」
最近、若い世代を中心に人気を集めているのが、水やりの手間が極端に少ない「ドライガーデン」というスタイルです。元々はアメリカ西海岸や砂漠地帯の庭を模したものですが、これを日本の気候に合わせてアレンジした事例です。
地面には砂利や大きめの割栗石(わりぐりいし)を敷き詰め、土の面積をほぼゼロにします。そこに、乾燥にめっぽう強い「アガベ」や「ユッカ」、そして日本の気候にも馴染む「オリーブ」などを点在させます。これらの植物は、真夏でも雨水だけで育つほど強健で、肥料もほとんど必要ありません。石と植物のコントラストが美しく、草むしりからも毎日の水やりからも解放される、究極のローメンテナンスガーデンと言えます。
事例2:雑草対策を兼ねた「タイルテラス」
「芝生の庭に憧れていたけれど、手入れができずに雑草畑になってしまった」というお宅のリフォーム事例です。思い切って庭の8割をタイルテラスに変更しました。
初期費用はかかりますが、タイルにしたことで雑草は一切生えなくなり、BBQや子供のプール遊びができる実用的な「アウトドアリビング」へと生まれ変わりました。残りの2割のスペースには、管理しやすい立ち上がりのある花壇(レイズドベッド)を設置し、家庭菜園を楽しめるようにしました。地面の高さを上げることで、しゃがまずに作業ができ、腰への負担も軽減されるという副次的なメリットも生まれています。
成功事例の共通点
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「土を見せない」工夫が徹底されている。 - ●
植物の数は少ないが、存在感のある「構造物(石やタイル)」で魅せている。 - ●
管理できる面積(花壇など)を限定し、それ以外は舗装している。
8. 初心者でも簡単に管理できる庭づくり
道具を変えるだけで作業時間は半減する
庭の手入れが億劫になる原因の一つは、使いにくい道具を使っていることにあります。弘法筆を選ばずと言いますが、初心者は「道具に頼る」べきです。
例えば、立ったまま雑草が抜ける「ロングハンドルの草抜き機」を使えば、腰を痛めることなく短時間で作業が終わります。また、剪定ばさみも千円程度のものではなく、人間工学に基づいて設計された少し良いもの(例:フェルコ社やアルス社の製品)を使うだけで、手の疲れ方が全く違います。「切る」という作業が楽しくなれば、自然と庭に出る回数も増え、荒れる前に手入れができるようになります。
年間管理カレンダーを作る
「いつ何をすればいいか分からない」という不安も、手入れを先延ばしにする要因です。自分の家の庭にある植物だけの「年間管理カレンダー」をスマートフォンに入れておきましょう。
複雑にする必要はありません。「2月:寒肥(肥料)をやる」「6月:花後の剪定」「9月:台風対策」といった大まかなスケジュールで十分です。植物は季節に反応して生きていますから、適期に適切な作業をすることで、無駄な労力を使わずに植物を健康に保つことができます。特に「適期以外に剪定をして花が咲かなくなった」という失敗を防げるのが大きなメリットです。
「完璧を目指さない」マインドセット
最後に精神論になりますが、最も重要なのは「雑草を一本も許さない」という完璧主義を捨てることです。自然相手のことですから、どれだけ対策をしても草は生えますし、虫も来ます。
「遠目から見て緑が綺麗ならOK」「来週やればいいや」くらいの気楽なスタンスでいることが、長く庭と付き合っていくコツです。雑草取りも「15分だけ」とタイマーをセットして、時間が来たらスパッとやめる。これくらいの「ゆるい管理」こそが、初心者でも挫折しない秘訣です。
9. メンテナンスの手間を省く素材選びのコツ
天然素材 vs 人工素材のリアルな寿命
エクステリアに使用する素材には、大きく分けて「天然素材(木、石、鉄など)」と「人工素材(樹脂、アルミ、コンクリートなど)」があります。風合いの良さは天然素材に軍配が上がりますが、ローメンテナンスの観点では人工素材が圧倒的に有利です。
例えば、ウッドデッキ。天然木のソフトウッド(SPF材など)は安価ですが、毎年塗装をしても5〜7年で腐食が始まります。一方、木粉と樹脂を混ぜた「人工木(樹脂木)」であれば、腐ることはなく、シロアリの心配もありません。初期費用は人工木の方が高くなりますが、塗り替えの手間と塗料代、そして将来の解体・作り直し費用を考えれば、10年スパンでは人工木の方が安上がりで楽になります。
フェンスは「アルミ」が最強の選択肢
目隠しフェンスを設置する場合も同様です。木製フェンスは趣がありますが、雨風に晒されると反りや割れが生じ、カビで黒ずんできます。ここでおすすめなのが、木目をリアルに再現した「アルミラッピング材」のフェンスです。
近年のプリント技術は凄まじく、近くで見ても本物の木と見分けがつかないレベルの商品が増えています。アルミは錆びにくく、汚れても水拭きだけで綺麗になります。一度設置すれば、半永久的にメンテナンスフリーで美しい外観を保てるため、忙しい現代人の庭づくりには欠かせない素材です。
10. 庭づくり成功例から学ぶ管理術
「経年変化」を味方につける
本当に管理が上手な人の庭は、新品の時よりも5年後、10年後の方が美しくなっています。その秘訣は、古くなることを劣化ではなく「味わい(パティーナ)」として楽しめる素材やデザインを選んでいる点にあります。
例えば、レンガや鉄平石(てっぺいせき)は、時が経つにつれて角が取れ、苔がむして風格が出てきます。プラスチック製品は古くなるとただ汚いだけですが、本物の素材は時間をかけて庭に馴染んでいきます。「ピカピカの状態を維持しよう」とすると掃除がストレスになりますが、「古びていく様子を楽しもう」という視点を持つと、多少の汚れや苔も庭の景色の一部として愛せるようになります。
ライフステージに合わせて庭もリフォームする
新築時に作った庭が、10年後の生活スタイルに合っているとは限りません。子供が小さい頃は芝生が必要だったかもしれませんが、子供が独立した後は、芝生を剥がして家庭菜園にしたり、あるいは全て砂利にして管理を楽にしたりと、庭も「リノベーション」していくものです。
成功している庭の持ち主は、一度完成したら終わりと考えず、自分の体力や時間の余裕に合わせて、柔軟に庭の形を変えています。無理をして昔のままの状態を維持しようとせず、今の自分にフィットした形に作り変えていく勇気を持つことが、生涯を通じて庭を楽しむための最大のポイントです。
サステナブルな庭管理の極意
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「劣化」する素材ではなく、「熟成」する素材(石・レンガ等)を選ぶ。 - ●
5年おきに「今の生活に合っているか?」を見直し、プチリフォームを行う。 - ●
頑張りすぎない。「60点の出来」を継続することが一番の美しさ。
「引き算」から始まる、心地よい庭のある暮らし
ここまで、手入れの手間を最小限に抑えつつ、美しい庭を維持するための具体的なテクニックを解説してきました。
この記事で最もお伝えしたかったのは、「土を減らし、植物を厳選すること」が、結果として庭とあなたの関係を良好にするという事実です。広大な芝生やたくさんの花壇がなくても、管理が行き届いた小さな緑のスペースは、見る人の心を十分に癒やしてくれます。メンテナンスの負担を減らすことは、手抜きではなく、庭を長く愛するための賢い戦略なのです。
まずは明日、庭に出て「管理しきれていない鉢植え」を一つ整理することから始めてみてください。あるいは、雑草が生えやすい場所に防草シートを敷く計画を立ててみましょう。その小さな「引き算」の積み重ねが、あなたの庭をストレスの場所から、本来の安らぎの場所へと変えてくれるはずです。
造園と庭の手入れに関するよくある質問
A. 砂利の厚み不足か、防草シートの劣化が原因です。
まずは砂利を追加して厚みを5cm以上にしてみてください。それでも生えてくる場合は、下地の防草シートが破れている可能性があるため、部分的な敷き直しが必要です。生えてしまった草は、小さいうちに根元から抜くか、除草剤(液剤)で処理しましょう。
A. 完全につきにくい木はありませんが、比較的強い樹種はあります。
シマトネリコ、ソヨゴ、フェイジョアなどは比較的害虫に強いと言われています。逆に、サクラやツバキ(チャドクガがつく)などは虫害のリスクが高いです。植え付け時にオルトランなどの予防薬を撒いておくことで、リスクを大幅に減らせます。
A. 高品質なものであれば7年〜10年程度です。
紫外線による劣化で芝が寝てきたり、千切れたりしてきます。安価なものは2〜3年でボロボロになることもあるため、初期費用がかかっても「防炎」「UVカット」などの機能がついた高耐久タイプを選ぶことをおすすめします。
A. 既存のものを「捨てる費用」を抑えることです。
庭石やコンクリートブロックの撤去・処分費は意外と高額です。既存のブロックの上にフェンスを立てたり、今の土壌を改良して使ったりするなど、「あるものを活かす」設計を業者に相談すると、コストダウンに繋がります。
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施工事例の流れ



