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お役立ち情報
2026年2月4日
ペットと暮らす人におすすめしたいエクステリアのポイント
愛犬・愛猫の安全を守るための具体的な外構設計と脱走防止策
誤食や怪我を防ぐための植栽選びと避けるべき危険な植物リスト
予算を抑えて快適な空間を作るためのDIYアイデアと便利グッズ
「庭で愛犬を思いっきり走らせてあげたい」「愛猫が日向ぼっこできる安全なテラスが欲しい」ペットと共に暮らす方なら、一度はそんな素敵な光景を思い描いたことがあるのではないでしょうか。しかし、実際に庭づくりを始めてみると、脱走の危険性や、肉球を傷めない床材選び、誤って食べてしまうと危険な植物の排除など、考慮すべき課題が山積みであることに気づかされます。
私自身、長年ゴールデンレトリバーと暮らす中で、何度も庭の改良を重ねてきました。最初は見た目重視で作ったウッドデッキが夏場に熱くなりすぎて使えなかったり、フェンスのわずかな隙間から外に出ようとしてヒヤッとしたりと、失敗の連続でした。これからお伝えするのは、そうした実体験とプロとしての知見を組み合わせた、「ペットも人も我慢しない」ためのエクステリア術です。大切な家族の一員であるペットが、毎日笑顔で過ごせる理想の空間づくりを、ここから一緒に始めていきましょう。
目次
1. ペットに優しい庭の作り方の基本
「ペット目線」で世界を見ることから始める
エクステリアの計画を立てる際、私たちはつい「デザインの美しさ」や「人間の使い勝手」を優先してしまいがちです。しかし、ペットにとっての庭は、単なる観賞用の空間ではなく、生活の一部であり、運動場であり、時にはトイレでもあります。ペットに優しい庭を作るための第一歩は、飼い主がペットの目線(高さ)までしゃがんで、庭を見渡してみることです。
例えば、人間の目線では気にならないような小さな段差も、小型犬や老犬にとっては大きな障害物になります。また、夏場の地面近くの温度は、大人の顔の高さよりも5度以上高くなることがあります。アスファルトやコンクリートの照り返しが、どれほど彼らにとって過酷かを想像してみてください。「人間にとっての快適」が、必ずしも「ペットにとっての快適」ではないという事実を認識することが重要です。
動物の種類やサイズによる「必要な要素」の違い
「ペット」と一括りにしても、大型犬と小型犬、あるいは猫では、庭に求める機能や注意すべきポイントが全く異なります。ボーダーコリーのような牧羊犬種なら広範囲を走り回れる動線が必要ですし、チワワなどの超小型犬なら、カラスなどの外敵から守れる屋根付きのスペースが安心材料になります。
それぞれの特性に合わせた庭づくりの基本方針を以下の表にまとめました。ご自身のパートナーに当てはめて確認してみてください。
ゾーニングで「人とペットの共存」を図る
ペットのためを思うあまり、庭全体をドッグランにしてしまう方がいらっしゃいますが、これはあまりおすすめできません。なぜなら、庭は人間にとっても洗濯物を干したり、ガーデニングを楽しんだりする場所だからです。
成功の鍵は、明確な「ゾーニング(区分け)」にあります。「ここは自由に走り回っていい場所」「ここは花壇だから入ってはいけない場所」というように、ラティスや低いフェンス、あるいは素材の切り替え(芝生とタイルの境界など)で視覚的にエリアを分けることが大切です。これにより、ペットは「自分の場所」を認識し落ち着くことができますし、飼い主も「花を掘り返された!」といったストレスから解放されます。お互いが快適に過ごすための境界線、それがゾーニングの役割です。
こちらも読まれています:初心者向け!失敗しない外構・エクステリア工事ガイド
2. 安全な外構の設計ポイント
脱走防止は「高さ」と「隙間」の二重チェック
飼い主にとって最大の恐怖は、目を離した隙にペットが脱走し、交通事故や迷子になってしまうことです。外構計画において、脱走防止策は最優先事項と言えます。
フェンスの高さについては、一般的に小型犬で80cm〜100cm、中型犬以上では120cm〜150cm程度が必要とされています。しかし、盲点となりがちなのが「足がかり」の存在です。いくら高くても、横桟(よこざん)のデザインであったり、近くに室外機やガーデンチェアが置いてあったりすると、器用な犬や猫はそれを階段代わりにして簡単に飛び越えてしまいます。フェンスは縦格子(たてごうし)のデザインを選び、周囲に踏み台になるものを置かない配置を心がけましょう。
また、フェンスの下の隙間も要注意です。犬は穴掘りの名人ですから、フェンスの下が土のままだと、時間をかけて穴を掘り、そこからくぐり抜けてしまうことがあります。フェンスの基礎をコンクリートブロックで固めるか、地面にメッシュを敷くなどの対策が不可欠です。
関節を守るための床材選び
室内飼育の犬にとって、フローリングが滑りやすく関節に悪いことはよく知られていますが、これは屋外のエクステリアでも同様です。ツルツルしたタイルや、濡れると滑りやすくなる石材は、走り回るペットにとって大きな負担となります。特にダックスフンドやコーギーなどの胴長犬種や、大型犬は股関節や椎間板へのリスクが高いため、慎重な素材選びが求められます。
おすすめなのは以下の素材です。
- 天然芝・人工芝: クッション性が高く、転んでも怪我をしにくい最高の素材です。人工芝を選ぶ際は、夏場に熱くなりにくい遮熱タイプを選びましょう。
- ウッドチップ・バークチップ: 土の上に敷くことでクッションになります。消臭効果がある素材もありますが、ささくれ立っていない丸みのあるものを選ぶ必要があります。
- 防滑(ぼうかつ)タイル: 表面にザラザラした加工が施された屋外用タイルです。掃除がしやすく清潔を保てますが、夏場の表面温度には注意が必要です。
飛び出し事故を防ぐ「二重ゲート」の設置
玄関や勝手口を開けた瞬間、ペットが足元をすり抜けて道路へ飛び出してしまうケースは後を絶ちません。これを物理的に防ぐ唯一の方法が「二重ゲート(ダブルロック)」の採用です。
道路と敷地の境界だけでなく、玄関ドアの前にもう一枚、門扉やフェンスを設置して「前室」のようなスペースを作ります。こうすることで、片方のドアが開いていても、もう片方が閉まっていれば脱走を防ぐことができます。日々の生活では少し手間に感じるかもしれませんが、万が一の命を守るための保険として、導入を強くおすすめします。
安全対策のチェックリスト
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フェンスの近くに「踏み台」になるような物を置いていないか? - ●
門扉の鍵はペットが前足で操作しても開かない構造か? - ●
床材は濡れた状態でも滑りにくいか?(実際に水を撒いて確認推奨)
3. 庭づくりでよくある失敗例と対策
「綺麗な花壇」が招く悲劇:誤食の危険性
ガーデニング好きの方が最も陥りやすい罠、それが「有毒植物」の植栽です。私たち人間にとっては美しく癒やされる花や植物でも、犬や猫にとっては猛毒となるものが驚くほど多く存在します。
例えば、春のガーデニングで人気の「チューリップ」や「スイセン」などの球根類は、犬が掘り返して食べてしまうと、嘔吐や下痢、最悪の場合は心不全を引き起こす可能性があります。また、「ユリ科」の植物は猫にとって腎不全の原因となる劇薬です。知らずに植えてしまい、ペットが体調を崩してから「まさか庭の植物が原因だったなんて」と後悔するケースは少なくありません。
以下に、庭によく植えられがちですが、ペットがいる家庭では避けるべき植物をまとめました。
「芝生=メンテナンスフリー」という誤解
「とりあえず芝生を敷いておけば、犬も喜ぶし手入れも楽だろう」と考えて天然芝を導入し、後悔するパターンも非常に多いです。確かに天然芝はクッション性が高く理想的ですが、犬のおしっこに含まれる窒素分によって芝が変色して枯れてしまったり、走り回る動線だけ芝が剥げて地面がむき出しになったりします。
また、夏場の芝刈りや雑草抜きはかなりの重労働です。もし、こまめなメンテナンスに自信がない場合は、最初から高品質な人工芝を選ぶか、犬が走るメインの場所だけウッドチップや固まる土(ガンコマサなど)にするなど、「維持管理できる範囲」で素材を選ぶことが、結果として美しい庭を保つ秘訣となります。
日陰を作らずに熱中症のリスク増
人間よりも地面に近い位置で生活するペットにとって、夏場の直射日光は命に関わる問題です。特に最近の猛暑では、日陰のない庭は数分で危険な温度に達します。
失敗例としてよくあるのが、「広いウッドデッキを作ったが、屋根をつけなかった」というケースです。樹脂製の人工木デッキなどは、直射日光で表面温度が60度近くになることもあり、とても歩ける状態ではなくなります。エクステリアを計画する際は、オーニング(可動式の日除け)やシェード、あるいは落葉樹を植えるなどして、必ず「逃げ場となる日陰」を確保してください。風通しの良い日陰があるだけで、ペットの体感温度は劇的に下がります。
4. ペットが快適に過ごせるエクステリア事例
機能的な「洗い場」が散歩後のストレスを消す
お散歩から帰ってきた時、足を拭くのを嫌がって暴れたり、泥だらけのまま家に入ろうとしたりして困ったことはありませんか?玄関脇や庭に機能的な「洗い場(立水栓・ガーデンパン)」を設置することで、この毎日のルーティンが驚くほどスムーズになります。
ペット用の洗い場を作る際のポイントは以下の3点です。
- 温水が出るようにする: 真冬の冷たい水での足洗いは、ペットにとっても苦行ですし、汚れ落ちも悪いです。混合水栓を引いてお湯が出るようにすると、シャンプーも外で済ませられるようになります。
- パン(受け皿)の広さと深さ: 一般的なガーデンパンは小さすぎます。中型犬以上なら、体全体が入る大きさの洗い場を造作するか、大きめの既製品を選びましょう。
- シャワーヘッドの形状: 固定式の蛇口ではなく、ホースが伸びるハンドシャワータイプが必須です。お腹周りや足の裏など、狙った場所を効率よく洗えます。
縁側のような「ウッドデッキ」の活用法
室内と庭をつなぐ「中間領域」としてのウッドデッキは、ペットにとっても最高のリラックススペースになります。リビングの掃き出し窓とフラットに繋げることで、段差なく外に出られるようになり、高齢になった時の介護もしやすくなります。
快適性を高める工夫として、デッキの一部をくり抜いてシンボルツリーを植え、木陰を作ったり、フェンスを高めにして周囲の視線を遮り、落ち着ける個室空間のようにしたりする事例も人気です。「部屋の延長」として使えるデッキがあれば、雨上がりの少し濡れた地面を気にすることなく、外の空気を楽しませてあげることができます。
快適な庭を作る「三種の神器」
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温水シャワー付きの広々とした「足洗い場」 - ●
リビングとフラットに繋がる「段差のないウッドデッキ」 - ●
夏の日差しを遮る「オーニング」または「シェード」
関連ニュース:初心者向け!失敗しない外構・エクステリア工事ガイド
5. 手軽に実践できるペット用DIYアイデア
プロに頼まなくてもできる「日陰づくり」
大掛かりな工事をしなくても、ホームセンターで手に入る材料でペットのための快適空間を作ることは十分可能です。まず挑戦していただきたいのが「シェード(日よけ幕)」の設置です。
窓枠や外壁に専用のフック(粘着タイプやサッシ挟み込みタイプなど、穴を開けないものも多数あります)を取り付け、UVカット機能のあるシェードを張るだけで、ウッドデッキや窓辺の温度上昇を劇的に抑えられます。地面側はペグで固定するか、重し(ウェイト)を使うだけなので、女性一人でも設置可能です。これだけで、熱中症のリスクを大幅に下げることができます。
簡易ドッグランを作るためのDIYグッズ
「庭全体を囲うのは予算的に厳しいけれど、一部だけでも自由に遊ばせたい」という場合は、置き型の簡易フェンスや、単管パイプとネットを使ったDIYドッグランが有効です。
地面に打ち込むタイプの支柱に、防獣ネットやメッシュフェンスを結束バンドで固定する方法なら、低コストでエリアを区切ることができます。ただし、大型犬が体当たりすると倒れる可能性があるため、強度は慎重に確認しましょう。小型犬であれば、連結式のペットサークルを庭に置くだけでも、十分安全な遊び場になります。
コストを抑えるためのDIY難易度リスト
DIYはコストダウンに有効ですが、作業内容によってはプロに任せた方が結果的に安く済む(失敗してやり直すリスクがない)場合もあります。ご自身のスキルと相談しながら判断できるよう、難易度と効果を整理しました。
6. ドッグランを取り入れた外構デザイン
広さと形状の黄金比
自宅に専用のドッグランを作ることは、愛犬家の究極の夢です。しかし、「とりあえず庭全体を囲えばいい」という単純なものではありません。犬種や性格によって、楽しめるドッグランの「形状」は異なります。
例えば、イタリアン・グレーハウンドやウィペットのようなサイトハウンド系(走るのが大好きな犬種)の場合、単純な広さよりも「直線の距離」が重要です。庭が狭くても、家の周りをぐるりと一周できる回遊動線(サーキット型)を作ることで、運動量を確保できます。一方で、ポメラニアンやトイプードルのような小型犬であれば、広さよりも「探索できる要素(隠れ場所や緩やかな起伏)」がある方が、知的好奇心を満たし満足度が高くなります。
ドッグランに最適な床材比較
ドッグランの地面(舗装材)選びは、愛犬の足腰の健康と、飼い主のメンテナンスのしやすさを天秤にかける難しい選択です。代表的な3つの素材について、それぞれのメリット・デメリットを整理しました。
トンネルやマウンドで遊び心を
ただ平らなだけのドッグランは、犬にとってすぐに飽きてしまう場所になりかねません。そこで提案したいのが、土を盛って小さな山(マウンド)を作ったり、ホームセンターで売っている土管や塩ビパイプを埋めてトンネルを作ったりするアイデアです。
特にマウンドは、頂上から周囲を見渡せるため犬が好む場所になりますし、上り下りの動作が普段使わない筋肉を刺激し、良い運動になります。アジリティのような本格的な機材を置かなくても、ちょっとした「地形の変化」をつけるだけで、庭は最高のアトラクションに変わります。
併せて読みたい記事:プロが教える美しい庭づくりのコツ|誰でも簡単に実践できる本格ガーデニングテクニック
7. ペットに適した素材選びと注意点
ウッドデッキ素材の「熱」と「毒性」
ウッドデッキを作る際、天然木にするか人工木(樹脂木)にするかは永遠のテーマですが、ペット目線で考えるなら「表面温度」と「ささくれ」の2点が判断基準になります。
人工木は腐らずメンテナンスフリーですが、夏場は火傷するほど高温になります。一方、ソフトウッド(杉やSPF材)などの安価な天然木は、経年劣化でささくれができやすく、肉球にトゲが刺さるリスクがあります。また、防腐剤として塗布される薬剤の中には、ペットが舐めると有害なものもあるため注意が必要です。
予算が許すなら、「イペ」や「ウリン」といったハードウッド(硬質木材)が最適です。これらは鉄のように硬く、ささくれがほとんど出ませんし、無塗装でも20年以上腐らない耐久性を持っています。初期費用はかかりますが、塗り直しや貼り替えの手間を考えると、長い目で見て最もコストパフォーマンスが良い選択肢と言えます。
滑らない床材の基準「CSR値」とは?
玄関アプローチやテラスにタイルを使う場合、カタログに記載されている「CSR値(滑り抵抗係数)」という数値を確認することをおすすめします。これは床の滑りにくさを表す数値で、数値が大きいほど滑りにくいことを意味します。
一般的に、ペットと暮らす外構ではCSR値が0.4以上のものが推奨されます。通常の屋外用タイルでも、雨に濡れるとCSR値が大きく下がってしまうものがあります。「ノンスリップ加工」や「防滑タイプ」と明記されているものを選び、可能であればサンプルを取り寄せて、実際に濡らしてから手で触って確認するのが確実です。
素材選びの落とし穴チェック
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安価な防腐剤入りの木材を使用していないか?(舐めるリスク) - ●
砂利は角が丸いもの(川砂利等)を選んでいるか?(砕石は肉球を傷つける) - ●
黒っぽい石やタイルを避けているか?(熱吸収率が高く火傷の原因になる)
参考ページ:DIYで楽しむ初心者のためのエクステリア入門
8. 庭の防臭・衛生管理の方法
トイレスペースの分離と土壌改良
庭で排泄をさせる場合、庭のどこでもしていい状態にしてしまうと、臭いの原因箇所が特定できず、庭全体が臭うようになってしまいます。衛生管理の基本は、決まった場所にトイレスペースを設け、そこでのみ排泄するようにトレーニングすることです。
トイレスペースの地面は、水はけを極限まで良くしておく必要があります。土を30cmほど掘り下げ、下層に砂利を敷き詰め、その上に「山砂」や「川砂」を入れることで、おしっこがすぐに地下へ浸透し、臭いが留まるのを防げます。また、定期的にそのエリアの砂を入れ替えるだけで済むため、メンテナンスも容易になります。
臭いを消すための設備と植栽
コンクリートやタイルにおしっこをしてしまった場合、水を流すだけでは成分が微細な穴に残り、乾いた後にアンモニア臭が復活してしまいます。これを防ぐためには、バイオ(微生物)の力で汚れを分解する専用の消臭剤を定期的に散布するか、重曹水を撒くのが効果的です。
また、トイレスペースの周囲に消臭効果のあるハーブを植えるのも一つの手です。ただし、前述の通りミントなどは繁殖力が強すぎるため、鉢植えにして置くのが無難です。ラベンダーやローズマリーなどは、人間には良い香りですが、一部の害虫を寄せ付けない効果もあり、一石二鳥の役割を果たしてくれます。
9. プロに依頼すべき施工のポイント
「ペット可」と「ペット共生」の違い
外構業者の中には「ペット可」を謳っているところが多いですが、単に「フェンスで囲えばOK」と考えている業者と、動物の習性を深く理解して設計する「ペット共生住宅」のプロとでは、提案内容に雲泥の差が出ます。
業者選びの際は、以下の質問を投げかけてみてください。
「担当者の方は、犬や猫を飼った経験がありますか?」
実際にペットと暮らした経験がある担当者なら、「雨の日の散歩帰りの動線」や「換毛期の抜け毛掃除の悩み」などを具体的にイメージでき、痒い所に手が届く提案をしてくれます。もし経験がない場合でも、「愛犬家住宅コーディネーター」などの資格を持っているかどうかが一つの判断基準になります。
見積もり段階で確認すべき必須項目
プロに依頼する際、後々のトラブルを防ぐために必ず確認してほしいポイントがあります。
10. ペットと人が快適に暮らせる庭の実例
事例1:老犬介護を見据えたバリアフリーガーデン
あるゴールデンレトリバーの飼い主様からの依頼でした。「今は元気だけど、将来足腰が弱った時のために」というご要望を受け、玄関の階段とは別に、庭からリビングへ直接アクセスできる「スロープ付きウッドデッキ」を設置しました。
スロープの表面にはゴムチップ舗装を施し、絶対に滑らない仕様に。また、デッキの周囲には転落防止の手すりを兼ねたベンチを設置しました。数年後、実際にワンちゃんが介護が必要になった際、「車に乗せるのも、排泄のために外に出すのも、このスロープがあったおかげで本当に楽でした」と感謝の言葉をいただきました。庭は「今」だけでなく「10年後」を見据えて作ることが大切だと再認識した事例です。
事例2:完全室内飼いの猫が遊べる「キャットパティオ」
「猫を外に出してあげたいけど、脱走や交通事故が怖い」という悩みを持つ飼い主様のために、中庭(パティオ)全体を天井までメッシュフェンスで囲った「キャットラン」を施工しました。
壁面にはキャットウォークを巡らせ、中央にはシンボルツリーとして落葉樹を植えました。猫たちは木登りを楽しみ、疲れたら高い位置にある棚で昼寝をします。天井まで囲われているため、鳥や野良猫が入ってくる心配もなく、窓を開けっ放しにしていても安心です。人間もそこで一緒にお茶を楽しめるよう、カフェテーブルを置けるスペースを確保し、「猫も人もくつろげるサンルームのような庭」が完成しました。
「安心」という土台の上に「楽しさ」を築く
ここまで、ペットと暮らすためのエクステリアについて、安全対策から快適な空間づくりまで詳しく解説してきました。
この記事で最もお伝えしたかったのは、「ペットの安全を守れるのは、飼い主であるあなたしかいない」という事実です。どれほどおしゃれな庭でも、脱走のリスクがあったり、危険な植物が植えられていたりしては、心からくつろぐことはできません。まずは「守るべきポイント(脱走防止・誤食防止・怪我防止)」を完璧に押さえ、その上で「楽しむ要素(ドッグラン・日向ぼっこ)」を積み上げていくことが、成功への唯一のルートです。
まずは今日、庭に出て、ペットの目線の高さで一周回ってみてください。「ここの隙間、意外と広いな」「この植物、名前なんだっけ?」といった小さな気づきがあるはずです。その気づきこそが、愛する家族を守るための第一歩となります。不安な点はプロの知恵も借りながら、あなたとパートナーだけの素敵な楽園を作り上げてください。
ペットのエクステリアに関するよくある質問
A. 下地処理と製品選びで対策可能です。
透水性の悪い下地だと臭いが残ります。下地に砕石をしっかり敷き、人工芝も裏面に排水穴が多いタイプを選べば、水で洗い流すだけで臭いは防げます。最近では抗菌・消臭機能付きの人工芝も販売されています。
A. 小型犬で80cm〜、中・大型犬なら120cm〜150cmが目安です。
ただし、ジャックラッセルテリアのようなジャンプ力のある小型犬もいるため、犬種特性に合わせて高さを決める必要があります。「忍び返し」をつけるのも有効な手段です。
A. 水溜まりをなくし、風通しを良くすることが最優先です。
ボウフラが湧く受け皿の水をこまめに捨てることが基本です。また、蚊は風に弱いため、剪定をして風通しを良くしたり、遊ぶときだけ扇風機を回したりするのも物理的ですが効果が高い方法です。
A. ハードウッド(イペ・ウリン等)なら、ほぼメンテナンスフリーです。
ソフトウッドは毎年の塗装が必要ですが、ハードウッドは無塗装でも20年以上持ちます。色は徐々にシルバーグレーに変化しますが、耐久性には問題ありません。初期費用は高いですが、手間をかけたくない方には最適です。
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施工事例の流れ



