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2026年1月4日

自宅にプロ並みの洋風ガーデンを造園する方法

「いつか、雑誌に出てくるようなイングリッシュガーデンを自宅につくりたい」「休日は、自分で手入れしたバラに囲まれて、テラスで優雅なティータイムを過ごしたい」。そんな夢を抱きながらも、目の前にあるのは殺風景な地面や、雑草が生い茂る荒れた庭……。理想と現実のギャップに、ため息をついている方は少なくないはずです。

洋風の庭園は、その洗練された美しさと、自然と調和した居心地の良さから、多くの日本人にとって憧れの対象です。しかし、いざ自分で作ろうとホームセンターに行っても、膨大な種類の植物や資材を前に立ち尽くしてしまったり、見よう見まねで植えてみたものの、なんだかまとまりがなく「これじゃない」感に苛まれたり。造園は、センスだけで乗り切るにはあまりにも奥が深く、ハードルが高いと感じてしまうのも無理はありません。

ですが、諦めないでください。実は、プロがデザインする美しい洋風ガーデンには、明確な「法則」「セオリー」が存在します。レンガの敷き方一つ、植栽の配置一つ、色の組み合わせ一つにも、視覚的な美しさと心理的な安らぎを生み出すための「論理的な理由」があるのです。私自身、長年エクステリアのデザインと施工に携わる中で、荒れ果てた庭が魔法のように生まれ変わる瞬間を何度も目にしてきました。その経験から断言できるのは、センス以前に「基礎知識」と「綿密な計画」さえあれば、DIYであっても誰でもプロ並みの美しい庭を作ることができるということです。

この記事では、プロだけが知っている造園の秘密のテクニックから、初心者でも絶対に枯らさない植物選びの鉄則、そしてコストを抑えつつ高級感を演出する裏技まで、あなたの庭を「理想の洋風ガーデン」へと変貌させるための全ノウハウを、体系的に、かつ徹底的に解説します。

1. プロが教える洋風庭園造園の基本テクニック

洋風庭園と一口に言っても、そのスタイルは多岐にわたります。自然な曲線を活かし、植物のありのままの姿を楽しむ「イングリッシュガーデン(ナチュラルスタイル)」、幾何学模様や左右対称の美を追求した「フレンチガーデン(フォーマルスタイル)」、太陽と土の温かみを感じさせる「プロバンス風(南欧スタイル)」など。しかし、どのスタイルを目指すにしても、プロが必ず設計の根底に置いている共通の「基本テクニック」があります。

それは、「視線のコントロール(フォーカルポイント)」「空間の骨格作り(ゾーニングとハードスケープ)」です。

視線を集める「フォーカルポイント」の魔術

美しい庭には、必ず「主役」が存在します。庭に一歩足を踏み入れた瞬間、またはリビングの窓からふと外を見た瞬間に、自然と視線が吸い寄せられるポイント。これを「フォーカルポイント」と呼びます。

何もない均質な空間は、視線が泳いでしまい、散漫で退屈な印象を与えます。しかし、庭の突き当たりやコーナー部分に、シンボルツリー、お洒落なベンチ、アンティークな水栓、あるいはレンガを積んだだけの小さな花壇などを配置することで、空間に「重心」が生まれます。これにより、奥行きが強調され、庭全体にストーリー性が宿るのです。プロは、まずこのフォーカルポイントをどこに置くかを決め、そこから逆算して周りの景色を作っていきます。

庭の骨格を作る「ハードスケープ」の重要性

初心者が陥りがちな最大のミスは、いきなり「植物(ソフトスケープ)」から植え始めてしまうことです。植物は成長し、形を変え、季節によって姿を消すこともあります。植物だけで庭を構成しようとすると、冬場に何もなくなってしまったり、手入れが行き届かずにジャングル化したりします。

プロは、まず「ハードスケープ(構造物)」で庭の骨格をガッチリと決めます。レンガの小道、ウッドデッキ、パーゴラ、フェンス、花壇の枠組み。これらは季節を問わず庭の形状を保ち、メンテナンスの動線を確保し、雑草の繁茂を防ぐ役割も果たします。「ハードスケープで骨格を作り、その隙間や余白をソフトスケープ(植物)で彩る」。この順序を守ることが、メンテナンスが楽で美しい庭を作る絶対の法則です。

構成要素 役割と重要性 具体的なアイテム例
ハードスケープ(構造物) 庭の「骨格」と「動線」を作る。一年中変わらない景観を保ち、泥汚れを防ぐ。最初に計画すべき要素。 レンガの小道、ペイビング(石畳)、ウッドデッキ、パーゴラ、アーチ、フェンス、立水栓
ソフトスケープ(植栽) 庭に「季節感」「彩り」「生命力」を与える。硬い構造物を柔らかく隠し、癒やしをもたらす。 シンボルツリー、宿根草、一年草、ハーブ、芝生、グランドカバー、つる性植物
オーナメント(装飾) 庭に「個性」と「アクセント」を加える。フォーカルポイントとして機能し、世界観を決定づける。 バードバス、ガーデンライト、車輪、ミルク缶、アンティークレンガ、テラコッタ鉢

 

空間を広く見せる「ゾーニング」と「高低差」

限られたスペースを有効活用し、広く見せるためには「ゾーニング(空間の区分け)」が不可欠です。「ここはくつろぐ場所(テラス)」「ここは歩く場所(小道)」「ここは植物の場所(花壇)」と、目的別にエリアを明確に分け、素材を変える(例:テラスは石張り、小道は砂利)ことで、メリハリが生まれます。

また、平坦な地面だけでなく、レイズドベッド(立ち上げ花壇)を作ったり、ハンギングバスケットを吊るしたりして「高低差(立体感)」を出すことも、プロの常套手段です。視線が上下に動くことで、空間にボリュームと奥行きが生まれ、実際の面積以上に広く豊かな庭に感じられます。

関連記事:造園費用を抑えて理想の庭を作るポイント

2. 洋風庭園に適した人気の植物リスト

洋風の雰囲気を決定づけるのは、やはり植物選びです。しかし、雑誌で見る海外の庭の植物をそのまま植えても、日本の高温多湿な気候では育たないことが多々あります。重要なのは、「日本の気候でも元気に育ち、かつ洋風な景観を作り出してくれる植物」を選ぶことです。

特に、花だけでなく「葉の色(カラーリーフ)」「葉の形(テクスチャー)」にこだわることが、センスアップの秘訣です。花は一時期しか咲きませんが、葉は長い期間、庭を彩ってくれます。シルバーリーフ(銀葉)や銅葉、斑入り葉などを組み合わせることで、花が咲いていない時期でも絵になる庭を作ることができます。

プロが現場で愛用する、育てやすくて見栄えのする「鉄板植物」をカテゴリー別に詳しく紹介します。

カテゴリー 植物名 特徴とおすすめポイント
シンボルツリー(高木) オリーブ 乾いたシルバーリーフが美しく、南欧風・地中海風の庭に最適。乾燥に強く、虫もつきにくい。異なる2品種を植えれば実も楽しめる。
ジューンベリー 春の白い花、初夏の赤い実(ジャムにできる)、秋の紅葉と、四季折々の表情を楽しめる落葉樹。ナチュラルガーデンの主役に。
シマトネリコ 光沢のある小さな葉が涼しげで、洋風モダンな住宅によく馴染む常緑樹。成長が非常に早く丈夫だが、定期的な剪定は必須。
低木・宿根草 イングリッシュラベンダー 芳香があり、シルバーがかった葉が美しい。高温多湿が苦手なため、風通しの良い場所やレイズドベッドに植えるのがコツ。
ウエストリンギア ローズマリーに似た葉を持つ常緑低木。薄紫や白の可憐な花を長期間咲かせる。形を整えやすく、洋風の生垣やトピアリーにも使える。
アナベル(西洋アジサイ) 純白の大きな花房が特徴。ドライフラワーにもなりやすく、アンティークな雰囲気を演出できる。剪定が簡単で初心者向き。
クリスマスローズ 冬から早春の彩りが少ない時期に、うつむき加減に上品な花を咲かせる「冬の貴婦人」。半日陰でも育つため、樹木の下草に最適。
グランドカバー クリーピングタイム 地面を這うように広がるハーブ。踏圧に強く、踏むと爽やかな香りがする。レンガの目地や小道の脇に植えると可愛らしい。
リシマキア・ヌンムラリア 明るいライムグリーンの葉が地面を明るくする。湿り気のある場所を好み、繁殖力が旺盛。黄色の小さな花も咲く。

 

植物配置の黄金比「7:3の法則」

植物を選ぶ際、全てを自分の好きな花だけで埋め尽くしてしまうと、冬場に地上部が枯れて土だけになってしまったり、手入れが追いつかなくなったりします。プロは「常緑樹(一年中葉がある)」と「落葉樹(冬に葉が落ちる)」を、およそ7:3の割合で構成します。常緑樹で庭のベースとなる緑(背景)を確保し、季節感を感じさせる落葉樹や草花をポイントで配置する。このバランスが、一年中見栄えのするローメンテナンスな庭を作る秘訣です。

3. 美しい洋風庭園レイアウト成功例

成功する洋風庭園には、いくつかの確立された「型(スタイル)」があります。ご自宅の建物の外観や、ご自身の好みのライフスタイルに合わせて、目指すスタイルを最初に明確にしておくと、使用する素材(レンガの色や石の種類)や植栽選びに迷いがなくなり、統一感のあるプロ並みの仕上がりになります。

イングリッシュガーデン風(ナチュラルスタイル)

最も人気のあるスタイルです。自然の風景を模し、人工的な直線を極力避けるのが特徴です。

・特徴: レンガや枕木などの自然素材を使い、小道はあえて曲がりくねらせて奥行きを出します。
・植栽: バラを主役に、ジギタリスやデルフィニウムなどの背の高い宿根草を立体的に組み合わせます。色が混ざり合うような、野原のような植栽を目指します。
・ポイント: 完璧に手入れされすぎた感じよりも、植物がこぼれるように咲いている「崩した美しさ」を意識します。

フレンチガーデン風(フォーマルスタイル)

整然とした美しさ、格式高さを求める方におすすめです。

・特徴: 「シンメトリー(左右対称)」が基本ルールです。幾何学的なラインの花壇、一直線の園路、石造りの噴水やオーナメントなどが特徴です。
・植栽: ツゲなどの常緑樹を丸や四角に刈り込んだ「トピアリー」や、色を統一したバラなどが好まれます。
・ポイント: 雑草や乱れが目立ちやすいスタイルなので、レンガや石貼りの面積を増やし、植物の管理エリアを限定すると維持しやすくなります。

南欧・プロバンス風(リゾートスタイル)

明るく開放的で、温かみのある家庭的な雰囲気です。

・特徴: テラコッタ(素焼き)タイル、オレンジやベージュ系のレンガ、白い塗り壁、黒いアイアンの装飾を使います。アーチやパーゴラもよく似合います。
・植栽: オリーブ、シマトネリコ、ラベンダー、ローズマリーなどのハーブ類、多肉植物などが相性抜群です。素焼きの鉢を無造作に並べるだけでも絵になります。
ポイント: 経年変化を楽しめる素材を選び、少しラフに仕上げるのがコツです。

アメリカン・ドライガーデン風(モダンスタイル)

近年人気急上昇中の、クールで手間いらずなスタイルです。

・特徴: 乾燥地帯をイメージし、土の代わりに砂利や大きめの栗石を敷き詰めます。構造物はコンクリートや金属など、無機質な素材がマッチします。
・植栽: アガベ、ユッカ、ソテツ、サボテンなど、乾燥に強く彫刻的なフォルムの植物を使います。
・ポイント: 水やりの頻度が極端に少なくて済むため、忙しい方や日当たりの良すぎる場所に最適です。スタイリッシュな店舗のような外観になります。

4. 造園初心者が気をつけるべきポイント

初めての庭づくりでは、カタログを見て「どのレンガにしようか」「どんな花を植えようか」と、目に見える部分だけに意識が向きがちです。しかし、庭づくりの成否を分けるのは、実は「見えない部分の設計」にあります。ここをおろそかにすると、どんなにお金をかけても植物が育たなかったり、使い勝手の悪い庭になったりしてしまいます。

命運を分ける「土壌改良」と「排水計画」

住宅地の庭の土は、建築時の重機で踏み固められていたり、ガラ(建築廃材)が混じっていたりと、植物にとって過酷な環境であることがほとんどです。そのまま植えても、根が伸びず、水はけが悪くて根腐れを起こし、すぐに枯れてしまいます。
施工前に必ずスコップで30〜50cmほど土を掘り返し、石を取り除き、腐葉土や堆肥、パーライトなどの土壌改良材をたっぷりと混ぜ込んで、ふかふかの土壌(団粒構造)を作っておくこと。これが成功の絶対条件です。また、雨水がどこに流れるかを計算し、必要であれば暗渠排水(あんきょはいすい)や排水マスへの勾配をつけることも重要です。

「植物の最終サイズ」を想像する

園芸店で売られている苗は「赤ちゃん」です。可愛らしいからと狭いスペースにたくさん植えすぎると、数年後には巨大化して窓を塞いだり、隣家の敷地に枝が侵入してトラブルになったりします。
「コニファー」などは特に成長が早く、数年で数メートルの巨木になることもあります。図鑑やタグで必ず「最終樹高」と「樹幅」を確認し、「こんなに空けていいの?」と思うくらい十分なスペース(株間)を確保して植える勇気を持ってください。空いたスペースは、一年草や雑貨で埋めれば良いのです。

関連記事はこちら:庭の印象を変える和風造園のコツとポイント

5. DIYでできる洋風庭園のアイデア集

プロに頼まずとも、DIYで本格的な洋風ガーデンを作り上げることは可能です。むしろ、自分で汗を流して作った庭には格別の愛着が湧きます。ホームセンターで手に入る材料を使って、週末に少しずつ作り上げていく「週末ガーデナー」のためのアイデアをご紹介します。

憧れの「レンガの小道」を作る

レンガ敷きはDIYの王道です。プロのようにモルタルを使ってガチガチに固めるのは技術がいりますが、「砂決め工法(サンドセット)」なら初心者でも失敗しません。

1. 通路の形に土を掘り下げる(約10cm)。
2. 路盤材(砕石)を敷いて突き固める。
3. その上に砂を敷き、平らにならす。
4. レンガを並べる。
5. 上から珪砂(けいさ)を撒いて、目地(隙間)に流し込む。

この方法なら、気に入らなければいつでもやり直しがききます。新品のレンガではなく、角が欠けた「アンティークレンガ(古釜レンガ)」を使うと、並べ方が多少不揃いでも、それがかえって良い「味」となり、最初から熟成された庭の雰囲気が出ます。

立体感を出す「レイズドベッド(立ち上げ花壇)」

地面を掘るのが大変な場合、逆に「土を盛る」のが正解です。木材やレンガ、石などで囲いを作り、その中に土を入れる花壇です。

メリット1: 水はけと通気性が抜群に良くなり、植物が驚くほどよく育つ。

メリット2: 地面より高くなるため、腰をかがめずに作業ができ、メンテナンスが楽。

メリット3: 高低差が生まれ、庭が立体的でおしゃれに見える。

枕木風のコンクリート製品を使えば、腐る心配もなく簡単に設置できます。

「化粧砂利」と「防草シート」で明るく管理を楽に

土がむき出しの部分は、雑草の温床になるだけでなく、雨の日の泥はねで家や植物を汚します。植物を植えない部分には、必ず「防草シート」を敷き、その上から洋風の「化粧砂利」を厚さ3〜5cmほど敷き詰めましょう。
イエロー系やピンク系、ホワイト系の明るい砂利を選ぶだけで、庭全体がパッと明るく垢抜けます。歩くと音がするので防犯対策にもなります。

 

6. 施工業者に依頼する際の注意点

駐車場やアプローチの舗装、フェンスの基礎工事など、DIYでは難しい大掛かりな工事や、デザイン性の高い庭を求める場合は、プロの施工業者(エクステリア専門店、造園会社)に依頼するのが確実です。しかし、業者選びは庭づくりの最大の難関でもあります。

「イメージと違う仕上がりになった」「当初の予算より大幅に高くなった」「すぐにタイルが剥がれた」といったトラブルを避けるために、良い業者を見極めるためのチェックリストを活用してください。

チェック項目 確認すべき具体的な内容と質問
施工事例(ポートフォリオ) ホームページなどで、自分の好みのスタイル(洋風・モダンなど)の実績が豊富かを確認。「和風が得意な植木屋さん」に「イングリッシュガーデン」を頼んでもうまくいきません。写真だけでなく、3Dパースなどの図面提案力も確認しましょう。
ヒアリングと提案力 こちらの要望をただ「ハイハイ」と聞くだけの業者は要注意。「なぜそうしたいのか(目的)」を汲み取り、プロの視点で「それならこっちの方が管理が楽ですよ」「この素材の方が長持ちしますよ」といったプラスアルファの提案をしてくれる担当者が信頼できます。
見積もりの明細と透明性 「造園工事一式 ◯◯万円」とどんぶり勘定でまとめられていませんか? 材料費(単価×数量)、施工費(人件費)、残土処分費、諸経費が明確に分かれているか確認しましょう。詳細な明細があれば、予算オーバーの際に「どこを削るか」の調整がしやすくなります。
アフターフォローと保証 「枯れ保証(植えた木が1年以内に枯れた場合の無償交換)」があるか。構造物(フェンスやブロック)の保証期間はどうか。工事後の定期点検の有無も確認しましょう。

相見積もり(複数の業者に見積もりをとること)は必須ですが、単に「金額の安さ」だけで選ぶのは危険です。安い見積もりには、土壌改良を省いたり、コンクリートの厚みを薄くしたりといった「見えないコストダウン」が隠されている場合があるからです。

参考ページ:小さな庭を最大限活かす造園アイデア集

7. 洋風庭園を美しく保つメンテナンス術

庭は、完成した瞬間がピークではありません。そこから植物が育ち、味わいが増していく「経年変化」を楽しむものです。そのためには、日々のメンテナンスが欠かせません。「手入れが大変そう」と敬遠されがちですが、ポイントを押さえれば週末の数十分で十分美しさを保てます。

洋風ガーデンの3大ケア「剪定」「除草」「施肥」

・剪定(せんてい): 枝を切り、樹形を整え、風通しを良くする作業です。洋風ガーデンでは、バリカンで四角く刈り込むような剪定ではなく、枝のラインを活かし、混み合った枝を間引く「透かし剪定」が似合います。木漏れ日が落ちるような軽やかさを目指しましょう。

・除草(草むしり): 雑草は小さいうちに抜くのが鉄則。そして、生やさない工夫も重要です。「マルチング」といって、バークチップ(木のチップ)や腐葉土で土の表面を覆うと、雑草の種が発芽しにくくなり、見た目もおしゃれで、土の乾燥防止にもなる「一石三鳥」の効果があります。

・施肥(せひ): 植物にご飯をあげる作業です。春の芽出し前(寒肥)と、花が咲き終わった後(お礼肥)が基本。化学肥料だけでなく、土壌改善効果のある有機肥料(堆肥、油かすなど)を混ぜると、土の中の微生物が増え、ふかふかの良い土が維持できます。

正しい水やりの極意

多くの人がやりがちなのが、「毎日少しずつ水をあげる」こと。これは実は逆効果です。表面しか湿らず、根が水を求めて地表近くに集まってしまい、乾燥に弱い軟弱な植物になってしまいます。
正解は、「土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るくらい(地植えなら染み込むまで)たっぷりとあげる」こと。メリハリのある水やりが、深く強く張る根を育てます。

関連記事はこちら:ガーデニングをもっと楽しむための便利グッズと活用法

8. 費用を抑えつつおしゃれに仕上げる工夫

「理想の庭にはしたいけれど、予算には限りがある」。これは誰しもの悩みです。しかし、知恵を使えば、コストを抑えつつも見劣りしないおしゃれな庭は作れます。

「小さな苗」から育てる楽しみ

完成形の大きな樹木(成木)は、輸送費や管理費がかかるため非常に高価です。しかし、膝丈くらいの「小さな苗木(幼木)」なら、数分の一、時には十分の一の価格で手に入ります。最初は寂しいかもしれませんが、その土地の環境に馴染みながら育つため、成木よりも丈夫に育つというメリットもあります。「庭を育てる時間」を楽しむ余裕を持ちましょう。

「舗装材」の使い分けでコストダウン

庭の全面を自然石張りやレンガ敷きにすると、材料費も職人の手間賃も跳ね上がります。
そこで、メインの動線(よく歩く場所)だけをレンガや石にし、それ以外の部分は「化粧砂利」「グランドカバープランツ(植物)」にするのです。素材のグレードにメリハリをつけることで、見た目のデザイン性を保ちつつ、大幅なコストカットが可能です。

コストが高い施工(憧れ) コストを抑える代替案(工夫) おしゃれポイントとメリット
天然石の乱張り
(職人の高い技術が必要)
カラーコンクリート + レンガ目地
(コンクリートの間にレンガでラインを入れる)
ただのコンクリート土間だと無機質ですが、レンガや草目地でラインを入れるだけでデザイン性が劇的に向上し、クラック(ひび割れ)防止にもなります。
全面ウッドデッキ
(材料費が高額)
一部デッキ + 砂利敷き・飛び石 必要な広さだけにデッキを縮小し、周りを砂利にすることで、余白が生まれて空間にメリハリがつきます。植栽スペースも確保できます。
塗り壁・左官仕上げの塀
(手間がかかる)
ウッドフェンス(または木目調樹脂フェンス) 通気性が良く、植物との相性も抜群。ハンギングバスケットを飾るなど、壁面を有効活用できます。

 

9. 庭づくりで失敗しがちな洋風造園の注意点

最後に、多くの人が陥りがちな失敗パターンを知っておきましょう。これを知っているだけで、後悔のリスクを大幅に減らせます。

「日本の気候」を無視してしまう

憧れの洋書に出てくるイングリッシュガーデン。例えば、湿度が低く涼しいイギリスでは、芝生やバラ、デルフィニウムなどが手間なく美しく育ちます。しかし、高温多湿な日本(特に関東以西の蒸し暑い夏)では、同じ植物が病気になりやすく、蒸れて枯れてしまうことが多々あります。
また、おしゃれな木製のフェンスやデッキ(ソフトウッド製)も、日本ではシロアリや腐朽菌の被害に遭いやすく、数年でボロボロになることも。耐久性の高いハードウッド(ウリン、イペなど)を選ぶか、リアルな木目調のアルミ・樹脂製品を選ぶなど、「日本の環境に合った素材と植物」への翻訳が必要です。

「日当たりと風通し」の確認不足

「ここに花壇を作りたい」と思っても、そこが一日中日の当たらない場所なら、多くの花は咲きません。逆に、真夏の西日がガンガン当たる場所に、暑さに弱い植物を植えればひとたまりもありません。
施工前に、朝・昼・夕方の日当たりの変化、風の通り道を必ずチェックしましょう。日陰なら日陰向きの植物(シェードガーデン)、日向なら日向向きの植物を選ぶ。「適地適木」こそが、メンテナンスを楽にする最大の秘訣です。

よくある失敗例 原因 対策
芝生が枯れる、苔が生える 日照不足、水はけ不良、踏み固めすぎ 日陰に強い品種(セントオーガスチンなど)を選ぶか、思い切って砂利やタイル、人工芝に変更する。
枕木のアプローチが腐る・シロアリ 湿気、本物の枕木の経年劣化 コンクリート製の「擬木枕木」を使用する。最近の製品は本物と見紛うほどリアルで、腐る心配がない。
植物が巨大化しすぎて手に負えない 品種選びのミス(成長速度の早い木を選んだ) 「矮性(わいせい)」と呼ばれる、大きくならない品種を選ぶ。植える前に最終サイズを確認する。

10. プロの施工事例から学ぶ庭づくり術

論より証拠。最後に、実際の施工事例から、成功のエッセンスを学びましょう。ここでは、よくある「狭くて暗い庭」を「憧れの洋風ガーデン」に変えた事例を紹介します。

事例:隣家との視線が気になる、日当たりの悪い北側の狭い庭

・課題: 道路や隣家からの視線が気になり、リビングのカーテンを開けられない。北側で日当たりが悪く、ジメジメして植物が育ちにくい。

・解決策(デザイン):

 1.目隠しフェンス: 明るいホワイトの木目調樹脂フェンスを設置。高さ(1.8m程度)を持たせて視線をカットしつつ、白い色が少ない光を反射させ、庭全体を明るくしました。

 2.シェードガーデン(日陰の庭): 無理に花を植えず、日陰でも育つ美しいカラーリーフ(ギボウシ、ヒューケラ、アオキ、アジサイ)を中心に植栽。葉のコントラストで魅せる庭にしました。

 3.サークルテラス: 庭の中央にアンティークレンガで円形のテラスを作成。テーブルセットを置き、視線を足元に集めることで、周囲の壁の圧迫感を軽減しました。

・結果: フェンスのおかげでプライベート空間が確保され、カーテンを開けて生活できるようになりました。白いフェンスとグリーンのコントラストが美しく、「暗くてジメジメした庭」が「しっとりとした落ち着きのある大人の隠れ家」へと生まれ変わりました。

継続が愛着を生む秘訣

庭づくりは、一度に完成させる必要はありません。

まずは骨格となる構造物やシンボルツリーから始め、季節ごとに少しずつ植物を足していくことで、愛着のある、あなただけの素晴らしい庭が育っていきます。

焦らず、植物の成長を見守りながら、今回の記事で紹介したプロのテクニックを参考に、ぜひ理想の洋風ガーデン造りの第一歩を踏み出してください。手をかければかけるほど、庭はあなたにとって最高の癒やしの空間へと変化していくでしょう。

参考ページ:初心者でも失敗しないガーデニングの植物選びと育て方

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