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2025年12月4日
庭の印象を決めるカラーとマテリアルのガーデンデザイン
「うちの庭、なんだかパッとしない…」「おしゃれな雑誌みたいにならないのは、なぜだろう?」そんな風に、自宅の庭を眺めながら、答えの出ない問いに頭を悩ませたことはありませんか?Webマーケティングの世界で長年、人の心を動かすビジュアルを分析してきた私自身、自宅の庭づくりで手痛い失敗を経験しました。
評判の良い素材を取り寄せ、人気の樹木を植えても、出来上がったのはなぜか全体がちぐはぐで、落ち着かない空間。週末のたびにその庭を眺め、「何がいけなかったんだろう」と頭を抱えるばかりでした。
その大きな失敗から学んだのは、庭づくりとは単に素敵なモノを寄せ集める作業ではない、ということ。それは、色という「感情」と、素材という「個性」を組み合わせ、一つの物語を紡ぎ出すアートにも似た行為なのです。これらは、単なる知識の羅列ではありません。
どうすればあなたの庭が、あなた自身の個性を映し出す最高のキャンバスになるのか。私が数々の試行錯誤の末に掴んだ具体的な配色術から、素材同士が響き合う組み合わせの秘訣、そしてプロが実践するテクニックまで、余すところなく徹底的に解説していきます。
目次
1. 庭の印象を変えるカラーコーディネートの基本
庭の印象がなぜか垢抜けない。その根本的な原因のほとんどは、「色」の無計画な使用にあります。これは洋服のコーディネートと全く同じ理屈です。どんなに上質なアイテムを持っていても、色の組み合わせを間違えれば、その魅力は半減してしまいます。庭のカラーコーディネートを成功させる第一歩は、まず色に3つの役割があることを理解することです。
- ベースカラー(70%): 庭全体の背景、いわば「舞台」となる色です。壁、フェンス、ウッドデッキやテラスなど、面積の大きな部分がこれを担います。
- メインカラー(25%): 庭の主役、いわば「俳優」です。シンボルツリーやまとまった植栽の緑、パーゴラといった構造物がこれにあたります。
- アクセントカラー(5%): 空間をきりっと引き締め、彩りを添える「小道具」の色。草花やクッション、植木鉢などで少量取り入れます。
面白いことに、この「70:25:5」という黄金比を意識するだけで、庭の配色は驚くほどまとまりやすくなります。私がクライアントの庭をデザインする際、必ず最初に「この空間の背景を、どんな色にしたいですか?」と問いかけます。例えば、明るいグレーやオフホワイトをベースにすれば、植物の緑が鮮やかに引き立つモダンな印象に。逆に、ダークブラウンを基調とすれば、しっとりと落ち着いた、高級感のある空間を演出できるわけです。
私の自宅の庭では、ベースカラーに少しだけ温かみのあるグレーを選びました。なぜなら、主役である植物の鮮やかな緑と、ウッドデッキの温かい茶色を、最も美しく引き立ててくれると考えたからです。まず背景を決める。このセオリーが、あなたの庭づくりを成功に導く、最も確実なコンパスとなるはずです。
※関連記事:ナチュラルガーデンを作るためのガーデンデザインのポイント
2. 庭に合う素材の種類と選び方
色が庭の「表情」を創るメイクアップだとすれば、素材(マテリアル)は庭の「骨格」や「肌質」を決定づける、より本質的な要素です。その質感が、庭の性格そのものを物語ります。素材選びで多くの人が陥りがちな罠は、写真やカタログの見た目だけで判断してしまうこと。後悔しないための鍵は、それぞれの素材が持つ「五感への語りかけ」に、じっくりと耳を澄ませることにあります。
私がかつて犯した失敗は、まさにこれでした。写真映りの良い、濃い色のタイルをテラスに採用したのですが、真夏の太陽の下で、そのタイルが素足では歩けないほど熱くなることを想像できていなかったのです。素材選びとは、見た目だけでなく、そこで過ごす自分の「身体」で考える必要があるのだと、痛感した瞬間でした。
素材を選ぶ際は、ぜひ以下の視点を持ってみてください。
- 視覚(どんな風に見えるか): モダン、ナチュラル、どんなスタイルを目指すか。
- 触覚(どんな感触か): 素足で歩きたくなるような滑らかさか、ゴツゴツとした自然な感触か。
- 聴覚(どんな音がするか): 砂利の上を歩くザクザクという音、ウッドデッキを歩くコツコツという音。
- 機能性(手入れは楽か): 自分のライフスタイルに合った、無理なく付き合える素材か。
主な素材の種類と、その個性を少し見てみましょう。
- 木(ウッド): 温もりと優しさの代表格。経年変化も味わい深い。
- 石(ストーン): 高級感と重厚感。和洋問わず空間を格上げする力を持つ。
- タイル: モダンでクリーン。デザインが豊富で掃除がしやすい優等生。
- コンクリート: シンプルさが、逆に植物の有機的な美しさを際立たせる。
- 金属(メタル): シャープなラインで空間を引き締める、名脇役。
あなたの庭で、あなたはどんな風に過ごしたいですか?コーヒーを片手に素足でデッキに出る朝を夢見るのか、友人を招いてスタイリッシュなパーティーを開きたいのか。その具体的なシーンを思い描くことが、あなたにとって最高の素材へと導いてくれるはずです。
3. ナチュラルな雰囲気を作る天然素材の活用術
「やっぱり、自然の温もりを感じる庭が一番」。そう考える方は、いつの時代も多いものです。ナチュラルな庭は、私たちの本能に心地よく響き、心を穏やかにしてくれます。その空間づくりの主役となるのが、ウッドとストーンという、地球が生み出した二大天然素材。これらをただ置くのではなく、その魅力を最大限に引き出すための活用術をいくつかご紹介します。
ウッドは「面」で、空間を温かく包み込む
ウッドデッキやウッドフェンスのように、ある程度まとまった「面」で木を使うと、その温かみや優しい質感が空間全体を支配します。特におすすめなのが、リビングの床とウッドデッキの高さをフラットに繋げること。たったこれだけで、室内と庭との境界線が曖昧になり、まるで部屋が一つ増えたかのような、圧倒的な開放感が生まれます。
ストーンは「線」と「点」で、庭にリズムを刻む
天然石は、アプローチのように「線」として使ったり、庭石のように「点」として配置したりすることで、庭の風景に心地よいリズムと趣を与えます。例えば、様々な形の石を組み合わせた乱形石のアプローチは、歩くたびに表情が変わり、庭の奥へと自然に誘います。また、庭のコーナーに少し大きめの石を一つ置くだけで、そこが空間の「締め」となり、ぐっと景色が引き締まります。
最強の組み合わせは「温かいウッド」×「冷たいストーン」
私がデザインの現場でよく使う、空間に深みを出すためのテクニックがあります。それは、温かみのあるウッドと、クールな質感のストーンという、異素材を意図的に組み合わせることです。例えば、ウッドデッキの一部をくり抜き、そこにシンボルツリーを植え、根元をゴロタ石で飾る。あるいは、石畳のアプローチの脇に、枕木をリズミカルに立ててみる。この質感のコントラストが、お互いの魅力を引き立て合い、単調になりがちな庭の風景に、プロのような奥行きを与えてくれるのです。
4. モダンな庭に仕上げるためのマテリアル選び
直線的で、無駄を削ぎ落とした静謐な美しさを持つモダンな庭。そのクールで洗練された雰囲気を創り出す鍵は、コンクリート、タイル、金属といった、人の手が生み出した無機質な素材を、いかに植物の有機的な美しさと対比させるかにかかっています。
コンクリートは、植物を主役にする最高の「キャンバス」
コンクリートと聞くと、冷たい印象を持つかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。美しく仕上げられたフラットなコンクリートのテラスは、植物の緑や影の形を最も鮮やかに映し出す、最高の背景となります。あるクライアントの庭で、コンクリートの壁の前に一本だけ樹形の美しいアオダモを植えたところ、壁がまるで一枚の絵画を飾るためのキャンバスのようになり、その壁こそが庭で一番のお気に入りの場所になった、ということがありました。
タイルは「大判・単色」で、空間に広がりを
モダンな庭を目指すなら、タイルは600mm角以上の大判サイズを選ぶのがセオリーです。目地が少なくなることで、空間にホテルのロビーのような広がりと高級感が生まれます。色は、白、グレー、黒といったモノトーンを基調にすると、全体の印象がぶれません。特に、家のフローリングの色とテラスのタイルの色を近づけると、窓ガラスの存在が消え、内外が一体化したような錯覚を生み出すことができます。
金属の「黒」で、全体を引き締める
モダンデザインに欠かせないのが、シャープな金属のアクセントです。特に、フェンスや窓枠、照明器具などに「マットな黒」の金属を取り入れると、全体の印象がぼやけず、きりっと引き締まります。植物の優しい緑と、家具の温かい木の色、そして金属のクールな黒。この3つのバランスを意識することが、都会的で洗練された空間を生み出す秘訣なのです。
※関連記事:ペットや子どもと一緒に楽しめるガーデン家具の選び方
5. 色の組み合わせで庭を広く見せる工夫
「うちの庭は狭いから、おしゃれなデザインは無理…」そう思っていませんか?諦めるのはまだ早い。色の持つ視覚効果、いわば「目の錯覚」を巧みに利用すれば、実際の面積以上に庭を広く、開放的に見せることが可能です。これは、高価な材料を使わなくても、ペンキ一つで実践できる魔法のテクニックです。
奥の壁を「明るく」、そして「涼しげ」に
心理学的に、白や水色、明るいグレーのような明るい寒色系の色は「後退色」と呼ばれ、実際よりも遠くにあるように感じさせる効果があります。庭の一番奥にあるフェンスや壁を、この後退色で塗装してみてください。たったそれだけで、壁がすっと後ろに下がったように見え、ぐっと奥行きが生まれます。私が以前、手狭な中庭のプロジェクトで、隣家との境界ブロック塀を真っ白に塗装しただけで、クライアントが「庭が2倍になったみたい!」と驚きの声をあげたほど、その効果は絶大です。
手前は「濃く」、そして「温かく」
逆に、ブラウンやテラコッタのような濃い暖色系の色は「進出色」と呼ばれ、近くにあるように感じさせます。手前の花壇に暖色系の花を植えたり、テラスに濃い色の家具を置いたりすると、奥の明るい壁との対比が生まれ、より一層の遠近感が強調されます。
使う色数を絞り、ごちゃつきをなくす
狭い空間にたくさんの色が溢れていると、視線が迷子になり、結果として空間を狭く感じさせてしまいます。庭全体で使う色は、ベースとなる白やグレー、メインの緑やブラウンなど、3〜4色程度に限定しましょう。色数を抑えることで、空間全体に統一感が生まれ、すっきりと整理された、広々とした印象を与えることができるのです。
6. おしゃれなガーデンデザインに必要な照明選び
昼間の庭の姿しか知らないなんてもったいない。照明計画は、庭のデザインを完成させるための、最後の、そして最も重要な仕上げです。照明によって創り出される「夜の顔」は、昼間とは全く異なる、幻想的でドラマチックな空間をあなたの家に与えてくれます。
発想の転換:「照らす」から「浮かび上がらせる」へ
多くの人がやりがちな失敗は、庭全体を均一に明るくしてしまうこと。これでは、せっかくの雰囲気が台無しです。おしゃれな照明の基本は、「闇」をデザインすること。そして、その闇の中に、見せたいものだけを光で「彫刻」のように浮かび上がらせるのです。シンボルツリー、質感のある壁、水辺など、庭の主役だけをスポットライトで照らし、美しい光と影のコントラストを創り出しましょう。
プロは「どこから見るか」を考える
私が必ず実践するのは、リビングのソファに座った時、窓の外にどんな「光の絵画」が見えるかをシミュレーションすることです。照明は、庭で過ごす人のためだけのものではありません。むしろ、一日の終わりに室内から眺める「夜の景色」をデザインするという視点が極めて重要です。窓枠を額縁に見立て、そこにどんなアートを飾りたいか。そう考えると、照明計画はもっと楽しく、もっとクリエイティブになります。
光の色は「電球色」一択で
照明の色は、空間の雰囲気を決定づけます。モダンな商業施設などでない限り、家庭の庭では、オレンジ色がかった温かみのある「電球色」を選べば間違いありません。この光は、リラックス効果が高く、植物の緑や木材の温もりを、最も自然で美しく見せてくれるのです。
※関連記事:季節を問わず快適に使えるガーデン家具の工夫
7. メンテナンスの手間が少ない素材の選び方
「美しい庭は欲しい。でも、手入れに追われる週末は送りたくない」。これは、庭づくりを考えるすべての人の本音でしょう。デザインの美しさと、維持管理のしやすさ。この二つを両立させることは、計画段階の素材選びで十分に可能です。
「ローメンテナンス」とは、単に「楽をする」という後ろ向きな発想ではありません。それは、手入れに費やす時間を減らし、その分、庭で純粋にリラックスする時間を増やすための、賢い投資なのです。
ウッドデッキ:天然木の「味わい」か、樹脂木の「合理性」か
- 天然木: 温かみのある風合いは最高ですが、美観を保つには1〜2年に一度の再塗装が必要です。この手間を「庭への愛着を育む時間」と捉えられるなら最高の選択です。
- 樹脂木(人工木): 天然木の見た目を再現しつつ、腐食や色褪せの心配がなく、基本的にメンテナンスフリー。初期費用は高めですが、長期的な視点で見れば、非常に合理的な選択肢と言えます。
地面の仕上げ:永遠のテーマ、雑草との戦いに終止符を
- 天然芝: 美しいですが、芝刈り、雑草取り、水やりという永遠の戦いが待っています。
- 人工芝: 近年の製品は驚くほどリアル。一度施工すれば、ほぼ手入れ不要で、一年中青々とした景観を維持できます。
- タイル・石材: 雑草の心配がなく、掃除が楽なのが最大の魅力。施工時に下地に防草シートを敷くのが、完璧を期すためのプロの常識です。
あなたのライフスタイルと、庭にかけられる愛情(時間と労力)を正直に見つめ直すこと。それが、5年後、10年後も「この素材を選んで良かった」と思えるための、最も重要なステップです。
※関連記事:屋外でも快適に過ごせるガーデン家具のレイアウトと配置
8. カラーバランスを考慮した植栽の配置法
庭に植える植物は、いわばカラーパレットに並んだ「生きた絵の具」。その配置次第で、庭は凡庸な絵にも、傑作にもなり得ます。多くの人が花の色ばかりに気を取られがちですが、プロはまず「葉の緑」をコントロールすることから始めます。
アマチュアは花の色を、プロは緑の色を操る
庭の大部分を占めるのは、実は花ではなく葉の緑です。そして、一言で「緑」と言っても、ライムグリーンのような明るい緑、深い森のようなダークグリーン、銀色がかったシルバーリーフなど、その色合いは無限にあります。これらの異なるトーンの緑を、手前に明るい色、奥に暗い色と配置するだけで、花がなくても庭には自然な奥行きと立体感が生まれるのです。
花の配色は、ファッションと同じ
花の色の組み合わせに迷ったら、洋服のコーディネートを思い出してください。
- ワントーンコーデ(同系色): 赤とピンク、青と紫など、似た色でまとめる手法。失敗が少なく、穏やかで優しい印象になります。
- 差し色コーデ(補色): 黄色い花畑の中に紫の花を少しだけ、といったように、反対色を少量加える手法。お互いの色が引き立て合い、鮮やかで印象的な景色を作ります。
最強のバランサー、「白い花」を使いこなす
私がデザインで必ずどこかに取り入れるのが、「白い花」です。白は、どんな色とも喧嘩せず、異なる色の間に植えることで、それぞれの色を引き立てながら全体を調和させてくれる、名脇役なのです。また、暗くなりがちな日陰のスペースを、ぱっと明るく見せてくれるレフ板のような効果もあります。
あなたの庭の主役は、どんな花ですか?その主役を最高に輝かせるために、周りをどんな仲間たちで固めますか?そんな風に、植物たちを俳優に見立ててキャスティングする感覚で、植栽計画を楽しんでみてください。
9. プロが使う色と素材の組み合わせパターン
ここでは、具体的なスタイル別に、プロがデザインする際によく用いる、鉄板とも言える色と素材の組み合わせをご紹介します。あなたの目指す庭のイメージを、より具体的にするためのヒントにしてください。
パターン1:温もりと洗練の「ジャパンディ」スタイル
日本の「和」の静けさと、北欧の機能美を融合させた、今最も人気のスタイルの一つ。
- カラー: ベースはオフホワイトやライトグレー。メインに明るいオーク材のような木の色。アクセントにマットな黒。
- マテリアル: 明るい色の樹脂木デッキ+洗い出しコンクリート+縦格子のウッドフェンス。樹形の美しい雑木と、風にそよぐグラス系の植物を合わせます。
パターン2:都会に自然を呼び込む「アーバンナチュラル」スタイル
モダンデザインの中に、天然素材を大胆に取り入れ、都会的でありながらリラックスできる空間。
- カラー: ベースはコンクリートのグレーやダークカラー。メインに濃いウォルナットのような木材と、植物の鮮やかな緑。
- マテリアル: 大判のコンクリート平板+ダークカラーのウッドデッキ。壁はコンクリート打ちっぱなし。フェンスは黒のアルミ。シダなど野性味のある植物が似合います。
パターン3:時間を忘れる「リゾートガーデン」スタイル
自宅にいながら、リゾートホテルのような非日常感と開放感を味わう空間。
- カラー: ベースは清潔感のある白。メインに水の青と、ヤシなどの濃い緑。アクセントにテラコッタやビビッドな色のクッションを。
- マテリアル: 大判の白いタイルテラス+白い塗り壁+ガラスパネル。小さな壁泉(ウォールファウンテン)など、水の要素を取り入れるのがポイントです。
これらのパターンを参考にしつつ、あなたの「好き」を自由にミックスすることで、あなただけのオリジナルスタイルを創造していく。それこそが、庭づくりの最大の楽しみなのです。
10. 実例から学ぶカラーとマテリアルの使い方
最後に、私がこれまでに関わったプロジェクトの中から、カラーとマテリアルの使い方が特に成功したと感じる実例を、ご紹介させてください。
- 実例1:旗竿地の暗い庭を「光の庭」に変えた、白の魔法
あるご夫婦の悩みは、「建物に囲まれた旗竿地で、一日中薄暗い庭をどうにかしたい」というものでした。そこで私が提案したのは、徹底的に「白」を使うこと。隣家のブロック塀と建物の壁面を、光を最も反射する真っ白な塗料で塗り直し、地面には明るいベージュのタイルを敷き詰めました。これだけで、庭は見違えるように明るくなりました。そこに温かみを加えるため、一面だけ横張りのウッドフェンスを設置。白い空間に木の茶色が加わることで、冷たさが和らぎ、居心地の良い空間が生まれました。 - 実例2:雑草地獄を3つの素材で解決した「多機能ガーデン」
小さなお子さんがいるご家庭の悩みは、「広さはあるが、雑草の手入れが追いつかず、全く活用できていない庭」でした。ここで行ったのは、目的別の明確なゾーニングです。リビング前には、BBQを楽しむためのタイルテラス(グレー系)。その隣には、子供が安全に遊べる人工芝(緑)。庭の奥には、家庭菜園用のレンガ花壇(ブラウン系)。このように、目的別にエリアを異なる素材で分けることで、視覚的にも機能的にもメリハリが生まれました。ご夫婦は雑草取りのストレスから解放され、週末ごとに庭で過ごす時間を心から楽しめるようになったそうです。
これらの事例が教えてくれるのは、どんな庭でも、色と素材の力を借りれば、必ず理想の空間へと生まれ変われる、ということです。
※関連記事:ガーデンフェンスの素材別メリットと活用法
庭は、あなた自身を映し出すキャンバス
色と素材を巡る、庭づくりの旅。いかがでしたでしょうか。庭のデザインとは、専門家だけのものではなく、そこに住むあなたが、どんな暮らしを夢見ているかを表現する、最も身近な自己表現の手段です。
難しく考える必要はありません。あなたが好きな服の色、心地よいと感じるインテリアの素材。その「好き」という感覚こそが、あなたの庭づくりの最も信頼できる羅針盤となります。
この記事でお伝えしたことは、その羅針盤が指し示す方角へ、迷わず進むための具体的な地図のようなもの。まずは、小さな植木鉢の色を変えてみる。そんな小さな一歩から、あなたの庭の物語は始まります。
色と素材という魔法の絵の具を使って、世界に一つだけの、あなただけの作品を、ぜひ創り上げてください。そのキャンバスは、これからのあなたの毎日を、より豊かに、より鮮やかに彩ってくれるはずです。
NEXT
Flow
施工事例の流れ



